見やすい、録りやすい、使いやすい“地デジパソコン”はこれだっ Part.3
見やすい、録りやすい、使いやすい“地デジパソコン”はこれだっ Part.3
2006年03月06日 00時00分更新
この“特別企画”では、2006年春モデルにおける地デジ対応に注目し、はたして地デジ番組をどこまで楽しめるのか、“視聴”“録画・再生”、さらに春モデルのポイントである“変換・出力”といった3つのポイントについて、比較・検証していく。ここでは富士通、日本電気、ソニー、日立製作所という4社の地デジ対応パソコンの“録画・再生”について、実際に見ていこう。
画質劣化はない地デジの“録画”
今回比較・検証した4メーカーの製品 |
引き続き、地デジ対応パソコンでの地デジ番組の録画、予約録画、および録画した地デジ番組の再生機能について検証していこう。
現在見ている地デジ番組の録画機能は、もちろんすべてのパソコンに搭載されており、HDコンテンツを含むデジタルTV放送の番組を録画できるようになっている。アナログ放送の録画生活を送っている方の中には、この際の“映像品質”“高画質化機能”などを気にする人もいるかもしれないが、地デジやBSデジタルといったデジタルTV放送の録画では基本的に録画時に映像品質が劣化することはない。
デジタルTV放送番組の録画処理は、受信したデジタルデータを暗号化したうえでHDDに記録するだけ。アナログ→デジタル変換のような画質の変化する処理は行なわれないからだ。録画する番組の保存先はパソコン本体の内蔵HDDのみ。FMV-DESKPOWER LXやVALUESTAR W、VAIO type Rなどでは、視聴・録画ソフトから外付けHDDを指定することもできないわけではないが、メーカーとしてサポートしていないという。また、“HDDのみ”と記したように、直接記録型DVDメディアに録画できるモデルは今のところ存在しない。記録容量(録画可能な時間)などの問題があるとはいえ、アナログ放送の録画ではDVDに対するダイレクトレコーディングは当たり前となっている機能だけに、使い勝手面では少々残念なところだ。
なお、デジタル放送の録画では映像品質は劣化しないと記したが、VALUESTAR Wには“アナログ変換”という独自機能を使ってHD放送の番組をDVD-Video相当=SD放送の画質(解像度やビットレート)にリアルタイム変換しながら録画することができる。わざわざ映像品質を落としてどうするの?――と思われるかもしれないが、このオプションを使って録画すると、CPRM対応DVDメディアに書き出す際の“ダウンコンバート処理”を省略できる。ダウンコンバート処理は通常、映像の再生時間と同程度の時間がかかる重い処理で、DVD出力で最も待たされるやっかいな手順だ。それを省略できるというのは、画質よりも映像の長期保存を目的として地デジ対応パソコンを購入したい方には要注目の機能といえる。
評価対象の製品名と視聴ソフト
- (1)
- 富士通・FMV-DESKPOWER LX90R/D
DigitalTVbox - (2)
- 日本電気(NEC)・VALUESTAR W VW970/EG
SmartVision - (3)
- ソニー/ソニーマーケティング・VAIO type R VGC-RC71PS(VOMモデル)
StationTV Digital for VAIO - (4)
- 日立製作所・Prius Deck DH75P2
Prius Navistation 4
評価対象製品 | (1) | (2) | (3) | (4) |
---|---|---|---|---|
録画 | ||||
デジタル放送の2番組同時録画 | - | - | - | - |
デジタル・アナログ放送の2番組同時録画 | ○ | ○ | ○ | - |
内蔵HDD以外のストレージ(外付けHDDやDVDメディア)に録画 | × | ×(※1) | × | × |
タイムシフトモードでキャッシュした映像の録画(過去に遡っての録画開始) | × | ○ | ○ | × |
予約録画 | ||||
EPG(電子番組表)による予約録画 | ○ | ○ | ○ | ○ |
手動設定(タイマー指定)での予約録画 | ○ | ○ | ○ | × |
リモート予約(携帯電話やPHS、別のパソコンからの予約録画) | ×/○ (※2) | × | × | × |
再生 | ||||
デジタル放送録画実行時のデジタル放送番組再生 | × | ○ | × | ○ |
録画したデジタル放送番組のネットワーク配信 | × | × | ○ | × |
予約録画実行中の番組のスクリーン表示(サイレント録画中に視聴アプリを起動して録画中の映像を表示) | ○ | ○ | × | ○ |
※ リモート予約 FMV-DESKPOWER LXの場合、オプションの外付けHDDサーバー「メディアタンク」を接続することでリモート予約が可能になるが、標準状態ではリモート予約はできない