エニーユーザーグローバル(株)は13日、スティック状のUSBメモリー型のIP電話端末およびIP電話サービス『ImPhone(アイムフォン)』を発表した。IP電話端末の予定販売価格は3970円(500円分の無料通話料金を含む。イヤホン付きマイクが付属)。発売は8月1日の予定。
スティック状のUSBメモリー型IP電話端末『ImPhone』 | 『ImPhone』をノートパソコンで利用しているところ |
『ImPhone』のシステムイメージ |
エニーユーザーグローバルはこれまで、IP電話事業者としてサービス(法人向けサービスの“Anytell”)を提供しているが、IP電話端末のハードウェアの開発と販売は今回が初めて。『ImPhone』の端末は、USBメモリー(インターフェースはUSB 1.1)に端末固有の電話番号とソフトウェアを持っており、パソコンの本製品を接続するだけで、パソコン側にソフトウェアなどを新たにインストールことなく、IP電話のサービスを利用できるのが特徴。そのため、自宅やオフィスのパソコンに限らず、外出先や出張先、インターネットカフェなどのインターネット接続環境のあるパソコンがあれば、どこでもIP電話が利用できるという。
USBメモリー内に搭載されているクライアントソフトの画面イメージ。画面中央の電話風のウィンドウの両脇に置かれている小さなウィンドウは、テレビ会議機能の利用時に通話相手の映像が表示される画面 |
主な機能は、『ImPhone』ユーザー同士(通話料無料)/一般固定電話/携帯電話/他社IP電話との通話機能、テレビ会議機能(市販のウェブカメラが必要。最大6人まで参加可能)、『ImPhone』ユーザー間でのチャット/ショートメール、MMS(Multimedia Messaging Service、非起動時の留守番電話として)『ImPhone』非起動時の固定電話/携帯電話への着信転送、など。なお、現時点で提供される電話番号は、同社独自の番号のみで、一般の電話からの受信はできない。同社では年内を目標に、市外局番“050”の申請を行なう予定だという。
料金プランは、月額の固定料金がなく通話料のみをプリペイド方式で支払う“プリペイドプラン”と、月額350円の固定料金と月々の通話料をまとめて支払う“月額支払いプラン”の2種類。主な通話料は以下のとおり(料金はすべて税抜き)。
- 国内:固定電話
- プリペイド:3分7.9円/月額支払い:3分7.8円
- 国内:携帯電話
- プリペイド:1分17.4円/月額支払い:1分17.3円
- 国際:アメリカ・固定/携帯電話
- プリペイド:1分8円/月額支払い:1分8円
- 国際:中国・固定/携帯電話
- プリペイド:1分29円/月額支払い:1分29円
通信方式は、H.232プロトコルによるVoIP形式(現在SIP(Session Initiation Protocol)のフィールドテストも行なっているという)。パソコンの推奨スペックは、CPUがPentium II-300MHz以上、メモリー128MB以上、USBインターフェースがUSB 1.1/2.0、ネットワークインターフェースが10/100BASE-TX、OSはWindows 2000/XP。同社によると、インターネット接続環境としては有線または無線のブロードバンド環境が望ましいが、ダイヤルアップ接続でも使用可能だという。
同社代表取締役社長の宮町秀恒氏 | ImPhoneの事業展開 |
この日都内ホテルで開催された新製品発表会で、製品の概要と今後の展開について説明した同社代表取締役社長の宮町秀恒(みやまち ひでつね)氏は、「おもしろく、楽しく、使いやすく」「誰にでも使える」端末を目指したと説明。また今後については、USBメモリーに収まるコンパクトサイズであることを生かして「このデバイスをコアにさまざまなサービスを広げていきたい」と述べ、OEM供給やキャラクター製品、ポータブルオーディオプレーヤーとの融合、広域無線LANへの対応などを進め、将来的には“My Mobile Portal”(自分専用の携帯型ポータル)を目指すとしている。