セイコーエプソン(株)とエプソン販売(株)は13日、フラットベッドスキャナーの新製品として、透過原稿(フィルムスキャン)で高速なゴミ除去を実現するという“Digital ICE Lite(デジタルアイスライト)”を新たに搭載した『GT-X750』、解像度3200dpiのCCD搭載低価格モデル『GT-F570』『GT-F520』を今月23日に発売すると発表した。価格はいずれもオープンプライス。各製品の位置づけと特徴、編集部による予想実売価格は以下のとおり。
- GT-X750
- 2004年9月発表のハイエンドモデル『GT-X800』の下位機種、『GT-F600』の後継機種で、同社フラットベッドスキャナーのミッドレンジモデルに当たる
- 光源移動型フィルムスキャンユニット/光学4800dpi α-Hyper CCD II&4群6枚レンズ/ゴミ&キズ除去機能“Digital ICE”&“Digital ICE Lite”搭載
- 2万円台後半
- GT-F570
- 2004年5月発表の普及モデル『GT-F550』の後継機種で、同社フラットベッドスキャナーの普及モデルに当たる
- オートフィルムローダー/光学3200dpi α-Hyper CCD II搭載
- 1万円台後半
- GT-F520
- 2004年5月発表の普及モデル『GT-F500』の後継機種で、同社フラットベッドスキャナーの最廉価モデルに当たる
- 光学3200dpi α-Hyper CCD II搭載
- 1万円台半ば
『GT-X750』 |
GT-X750は、「高い画像品質と使い勝手の向上を目指して開発した」「エントリーモデルを使ってみて(スキャン結果に)納得がいかない、よりよい絵を撮りたいという方向け」(IJP設計部主任 赤羽久幸氏)という同社フラットベッドスキャナーのミッドレンジモデル。撮像素子に光学4800×9600dpiのα-Hyper CCD IIを搭載し、透過原稿のスキャン時には光源から直線的に光が撮像素子まで到達するという“光源移動型”を採用。これにより画質とスキャン速度の向上が図られている。同社の測定結果では、画質優先モードで104秒(ポジフィルム)/116秒(ネガフィルム)、速度優先モードでは87秒/94秒と他社の同等機種の半分から1/5程度の高速化が実現できたとしている。
また、GT-X800で採用した透過原稿のゴミ&傷除去機能“Digital-ICE”での処理時間を短縮するため、傷除去などに有効な一部工程を省略してゴミやほこりの除去を優先しながら処理時間の短縮を図る“Digital-ICE Lite”を搭載。これを利用すると、Digital-ICEでは301秒(ポジ)/335秒(ネガ)かかっていた処理時間が141秒/155秒にそれぞれ短縮されるという(いずれも同社測定値)。
また、スキャン原稿をPDFファイルにまとめて管理する際の“PDFナビボタン”(ボタンで起動するアプリケーション/デバイスドライバー)を改良し、複数ページの管理や90度単位の回転、ページ入れ替えや不要ページの削除などの簡易編集が可能になった。従来(GT-X800)もADF(オートドキュメントフィーダー)を装着すれば、複数ページのPDFファイルの作成が可能だったが、1枚(1ページ)ずつのスキャンでも作成可能になった。なお、GT-X800ユーザー向けにも今月末にソフトウェアアップデートを行なうとのこと。
上記以外の主なスペックは以下のとおり。
GT-X750の主なスペック
- 撮像素子(センサー)
- α-Hyper CCD II(オンチップマイクロレンズ付き6ラインカラーCCD)
- 対応原稿サイズ
- A4/USレターサイズ
- 読取解像度
- 4800×9600dpi
- 出力解像度(ソフトウェア補間後)
- 12800dpi
- 読取階調
- RGB各16bit入出力
- 読取速度
- モノクロ/フルカラー:16.8ms/ライン(4800dpi)
- インターフェース
- USB 2.0(Hi-Speed対応)
- 光源
- 白色冷陰極蛍光ランプ
- 電源
- ACアダプター付属
- 消費電力
- 動作時:約20W
- 低電力モード時:約3.8W
- 本体サイズ
- 幅272×奥行き475×高さ113mm
- 重量
- 約4kg
- 透過原稿(フィルム)用マウント
- 35mmストリップ:12コマ
- 35mmマウント:4コマ
- ブローニー:1枚
- 付属アプリケーション
- スキャンユーティリティーソフト『EPSON Creativity Suite』
- 日本語OCRソフト『読んde!!ココ パーソナル』
- 画像編集ソフト『Adobe Photoshop Elements 3.0』
- 名刺OCR機能付きファイリングソフト『Presto! BizCard4.1』
- 対応OS
- Windows 2000/XP、Mac OS X 10.2.7以降(USB 2.0接続の場合)
- Windows 98SE/Me/2000/XP、Mac OS 9.1~9.1、Mac OS X 10.2.0以降(USB 1.1接続の場合)
AFLを上部カバーに内蔵する『GT-F570』。GT-F550/F500と比較して、カラーリングが明るいシルバーからダークグレーに変更された |
GT-F570/GT-F520は、「オートフィルムローダー(GT-F570に標準装備)、またはマルチペーパーフィーダー(GT-F520用オプション)を用意し、簡単気軽にスキャンを楽しみたい方」(赤羽氏)向けに開発したという、同社のフラットベッドスキャナーの入門機。解像度は3200×6400dpiながら、上位機種と同じα-Hyper CCD IIを搭載。
『GT-F520』 |
GT-F570のAFL(オートフィルムローダー)は、GT-F550から継承した機能だが、一部ユーザーから「フィルムを入れにくい」という声があったため、ローラーの径を大型化し、ベルトの材質を変更することでフィルムの吸い込みを改善したという。同社内の評価では「20%挿入性がよくなった」(赤羽氏)という。GT-F520はGT-F570からAFLを省略したもので、スキャン性能などに違いはない。
上記以外の主なスペックは以下のとおり。
GT-X750の主なスペック
- 撮像素子(センサー)
- α-Hyper CCD II
- 対応原稿サイズ
- A4/USレターサイズ
- 読取解像度
- 3200×6400dpi
- 出力解像度(ソフトウェア補間後)
- 12800dpi
- 読取階調
- RGB各16bit入出力
- 読取速度
- モノクロ/フルカラー:14.5ms/ライン(3200dpi)
- インターフェース
- USB 2.0(Hi-Speed対応)
- 光源
- 白色冷陰極蛍光ランプ
- 電源
- ACアダプター付属
- 消費電力
- 動作時:約19W(GT-F570)、約17W(GT-F520)
- 低電力モード時:約4.8W(GT-F570)、約4.5W(GT-F520)
- 本体サイズ
- 幅275×奥行き419×高さ86mm
- 重量
- 約3.2kg
- 透過原稿(フィルム)用マウント
- 35mmストリップ:6コマ(GT-F570 AFL)、4コマ(GT-F520)
- 35mmマウント:1コマ(GT-F570、ポジのみ対応)、3コマ(GT-F520、ポジ/ネガ対応)
- 付属アプリケーション
- スキャンユーティリティーソフト『EPSON Creativity Suite』
- 日本語OCRソフト『読んde!!ココ パーソナル』
- 画像編集ソフト『Adobe Photoshop Elements 3.0』
- 名刺OCR機能付きファイリングソフト『Presto! BizCard4.1』
- 対応OS
- Windows 2000/XP、Mac OS X 10.2.7以降(USB 2.0接続の場合)
- Windows 98SE/Me/2000/XP、Mac OS 9.1~9.1、Mac OS X 10.2.0以降(USB 1.1接続の場合)