円形の特徴ある外観を持つポータブルハードディスク
日本シーゲイト(株)は13日、米国で販売中のポータブルハードディスク『USB 2.0 Pocket Hard Drive』(USB2.0 ポケット・ハードドライブ)を国内市場に投入すると発表した。販売はロジテック(株)が行なう。容量5GBの『LHD-PD5GU2』が用意され、価格は2万900円(税別)。4月下旬の出荷を予定している。
LHD-PD5GU2はご覧のように手のひらサイズ。円形のボディーは、落とした際の衝撃が分散する効果もあるという。内部のディスクは防振ゴムで保護されている |
HDDへのアクセス時は中央のLEDが青色に光る |
LHD-PD5GU2は、円形(直径73mm)の特徴ある外観を採用した手のひらサイズのHDD。本体には長さ15cmのUSBケーブルを巻き取るように収納でき、アクセサリー感覚で使えるのが特徴だ。内蔵するドライブは米シーゲイト・テクノロジー社(以下米シーゲイト)の『ST650211』で、プラッターサイズは1インチ、毎分3600回転、2MBキャッシュメモリー、シークタイム16ms、内部転送速度77Mbpsという仕様である。ST650211にはコンパクトフラッシュタイプのものがあるが、Pocket Hard Driveに用いられているのはそうではなくパラレルATAをUSBに変換して出したものだという。パソコンとの接続はUSB 2.0/1.1経由で行ない、バスパワー駆動にも対応する。
Pocket Hard Driveに付属するユーティリティー。フォーマットやセキュリティー機能などを提供する |
ハードディスクには、セキュリティーソフトの『Pocket Hard Drive Toolkit』が保存されており、ディスク内の特定の領域をパスワードで保護できる。フリーで読み書きできる領域と保護したい領域をパーティションで区切り、普通につないだ際にはフリーエリア、Toolkit上でパスワードを入力した際には保護エリアをマウントする仕組みだ。フリーエリアと保護エリアにどの程度の容量を割り当てるかはユーザーが決められるが、変更時にはディスクのフォーマットが必要なため、それ以前に記録したデータは退避しないといけない。ファイルシステムはFAT32で、ファイルの暗号化などは行なわない。ソフトは英語版だが、日本語のマニュアルが付属する。
本体サイズは幅73×奥行き73×高さ18.9mmで、重量は63g。消費電力1.75W。OSはWindows XP/2000/98 SE/Me、Mac OS 9.2.2、Mac OS X 10.1以上に対応。Windows 98SE以外のOSでは、ドライバーのインストールなしで使用可能。ただし、Macintoshではセキュリティー機能が利用できない。
Pocket Hard Driveは20周年を記念するモデル
都内で開催された発表会の会場には、米シーゲイトのバイスプレジデントのランディー・リー(RANDY LEE)氏、日本シーゲイト代表取締役社長の小林剛氏、ロジテック代表取締役社長の星野雄之輔氏などが出席した。
米シーゲイトは1979年の設立後、1985年に国内の拠点を構えた。しかし、国内のエンドユーザーをターゲットにした製品はこれまで投入してこなかった。リー氏はPocket Hard Driveを「日本における20周年を祝う製品である」と位置づけた。小林氏は「同価格のUSBメモリーより容量が10倍程度多く、ドライブの堅牢製にも配慮し、独自のセキュリティー機能を持っている」点などを付加価値として示した。実売2万円という値付けは、同程度の容量のHDDオーディオプレーヤーとほとんど同じ価格となり、ライバルが多い市場だが、ロジテックの星野氏は「初年度5万台はいきたい」と抱負を語った。