(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモのブースでは、“UbiButton(ユビボタン)”というちょっと変わった製品のデモが行なわれていた。これは、指先を軽く触れ合わせた時の振動を“UbiChip(ユビチップ)”(衝撃加速度検出センサーと検出用LSIが搭載されたもの)が読み取り、その触れ合わせる動作の繰り返しのリズム(ストローク)によってコマンドが表現されるというもの。さまざまな機器が小型化されていくとボタンがどんどん押しにくくなっていく。これを使うことによって、ボタンを用意しなくてもスイッチのオン/オフなどが実行可能になる。
参考出品されていた“UbiChip”搭載製品。製品の背面に“UbiChip”が埋め込まれている | 指を触れ合わせる動作を行なうと、腕に巻きつけた製品の“UbiChip”がその振動を検知。赤外線通信でテレビのオン/オフなどを行なう |
ブースに掲示されていたボードには、この指の動作を“指パチ”動作と表現していたが、デモの様子を見ていると指を鳴らすというよりも指を合わせると表現したほうが正しそうだ。
“Ubichip”は衝撃加速度検出センサーと検出用LSIから構成される | 腕時計ほか小型のヘッドセットなどへの応用が考えられている |
一例としてデモの説明員が手首に巻いていたのは、“UbiChip”を埋め込んだ腕時計のような赤外線通信機器。会場には赤外線受信部を搭載している製品(テレビ、カーテンレールなど)がいくつか用意され、そのなかからセレクトコマンドで通信のターゲットとしたい製品を選択。命令が実行されるまでの一連の様子を実演するものだった。“UbiChip”は赤外線通信出力先となる腕時計のような赤外線通信機器の裏側(手首と触れ合う部分)に埋め込まれており、親指から手首に伝わった振動を検知する。今回の製品は参考出品としてNTTドコモ マルチメディア研究所が出品していたものだが、例えば5ストロークに対して30種類のコマンドを用意し、複数の機器をコントロールすることが可能だという。説明員は「言ってしまえば学習リモコンのようなもの。特定のものと組み合わせて使うというのではなく、いろんなものに“UbiChip”を貼り付けてもらいたいと思っている。腕時計でもいいしメガネやヘッドセットと組みあわせてもいい」と話す。