『LindowsCD 日本語版』を手に「もうひとつOSの選択肢があることを多くの人に知ってもらいたい」と挨拶する代表取締役兼CEOの堀江貴文氏 |
エッジ(株)は27日、都内で28日発売の『LindowsCD 日本語版』製品発表会を開催した。『LindowsCD 日本語版』は、『LindowsOS 4.0 日本語版』のマイナーバージョンアップ版でHDDにインストールすることなく、CDブートによってOSを起動する製品。機能はLindowsOS 4.0とほとんど変わりないが、同製品は“HDDに依存しない”点がウリで、データの格納などはウェブ上のストレージサービスを活用する点がユニークだ。CDの内容は『LindowsOS 4.0 日本語版』からドライバーなどハードウェアの対応を広げるとともに、ウェブブラウザー『Opera 7.21 for Linux』が標準搭載されるなど使い勝手が改良されているという。『LindowsCD 日本語版』の動作環境は800MHzまたはそれ以上のCPUを搭載したPC/AT互換機、128MB以上のメモリー、SVGA(800×600ドット)以上の解像度を表示可能なビデオカードとなっている。価格は3980円。
HDDに依存せずどこでも使える
同社執行役員上級副社長の伊地知晋一氏は「弊社は来年2月に株式会社ライブドアと社名変更すると発表したが、今回のLindows CD日本語版は、“livedoor”事業とかなりリンクしている」と話した。すでに、ASCII24ニュースでは同社が各種ウェブサービスを総合ポータルサイト“livedoor”に統合することをお知らせしているが、LindowsOSのブラウザーを開くとトップページがデフォルトでlivedoorのページになっている。会場では、LindowsCDのネットワークストレージサービスはlivedoorが提供することも公表された。このネットワークストレージサービスを利用するためには、livedoorの会員になりアカウントを取得する必要がある。アカウントを取得すれば50MBまで無料で使用することが可能だ。
『LindowsOS 4.0 日本語版』と『LindowsCD 日本語版』の位置づけ |
さらに氏は製品のポイントとして以下の点を強調した。
- HDDに依存しないため、世界中どこへ行ってもLindowsCDをAT互換機に入れるだけで日本語環境のLindowsCDを使うことができる
- CDブートなのでWindowsが搭載されているパソコンではハイブリッド環境で使うことができる
- もとパソコンに設定されている環境を変更する必要がない
- (4)複数の人が同じパソコンを利用する場合にも、個人データがそのパソコンに残らずセキュリティーが保たれる
など。
これらの特徴のため、エンタープライズ市場ではホテルや駅、ネットカフェ、図書館など不特定多数の人が同じパソコンを利用するような場所での利用に適しており、この市場を強化してきたいと話した。一方コンシューマー市場では、パソコンの中級ユーザーやビジネスユーザーをターゲットとしている。同社ではLindowsCDをバンドルした、HDDを搭載しないパソコン“Lindows WebStation(仮)”を企画中。「現在、LindowsOSが搭載されているパソコンは格安で販売されているが、LindowsCDバンドルの“Lindows WebStation”はHDDが必要ないぶん、さらに格安で提供できる」と話した。販売目標は3年間で100万枚を目指している。
来年6月のバージョン3ではClick-N-Run(CNR)も搭載?
またLindowsOSプロジェクトマネージャー板井清司氏は、今後のLindowsCDのあり方について話を進めた。「現在のLindowsCDではローカルにデータを残すことができないので、オンラインストレージにデータをアップロードする方法がとられる。しかし、メーラーの設定、インターネット接続のための電話番号などは、電源を切るとフラッシュされてしまい、起動のたびにいちいち入力し直さなければならない。それにブラウザーのブックマークもローカルに残すことができない」とした上で、3月に発売されるバージョン2ではデータの保存と設定項目など必要な情報が保存可能な機能を追加する予定だと話した。
LindowsOSプロジェクトマネージャー板井清司氏。USBメモリーをデータ格納に活用する手法を紹介 |
次世代のLindows CDはデータ格納にハイブリッドCDやUSBメモリーを活用することも検討中 |
『LindowsCD 日本語版』のバージョン2は3月に、バージョン3は来年中盤に登場予定。バージョンではASPによるアプリケーションの活用ができるようになる |
また、LindowsOS 4.0で特徴となっているClick-N-Run(CNR)と呼ばれるオンラインの自動ソフトウェアインストール機能が使えないという違いを挙げ、来年中ごろに登場するバージョン3では、ASPサービスを利用してアプリケーションを利用可能にする方法も考えられるとした。今後のバージョンにおいてとられるデータの保存手法は
- CD-ROMとCD-Rのハイブリッドメディアを利用
- USBメモリーとの連携
- 大容量USBメモリーの活用
の3点を挙げた。ただし、これらはあくまで考案中の方法であって確定した計画ではない。(1.)に関して氏は「CDの円周内側に1度だけ書き込み可能なCD-Rの部分と、その外側に通常の読み出しだけが可能な部分をもつハイブリド形式のメディアが登場してきている。これを活用し外側の読み出しにLindowsCDを入れ、内側に設定項目やデータを書き込んでおく」という案を提示した。この場合は、CDに一度しか書き込みができないので、毎日書き加えていくものには向かないことになる。どちらかというとIDやパスワードをはじめとした必要な項目を書き込み、限られた用途で使用する形になる、(2.)はデータ項目を保存したり読み出したりといったことにUSBメモリーを活用するということ。(3.)は1.5GBクラスの大容量USBメモリーにLindowsCDを入れ、そこから起動。データの保存も行なうというものだ。これらとは別に、エンタープライズ用途では、サーバーにアプリケーションやデータを一括管理してしまう手法も考えられると紹介した。
特製LindowsCDコンドーム(非売品)を配布
『LindowsCD 日本語版』パッケージと特製LindowsCDコンドーム(非売品)を手にアピールする堀江社長 |
会場で配布された1000個限定の特製LindowsCDコンドーム(非売品)。ある意味貴重品か?Save sex.have a safe Lindowsの文字も見える |
今回の記者発表は、東京・六本木のディスコ“MAHARAJA 東京”が会場だった。冒頭、同社の代表取締役兼CEOの堀江貴文氏は「幅広い層にLindowsCDを使っていただいて、パソコンで使うOSにLindowsという選択肢があることを知っていただきたいという思いもあり、このディスコで開催となった」とコメント。記者発表後の会場は通常通りの営業が再開されたが、コンパニオンによって1000個限定の特製LindowsCDコンドーム(非売品)が配布された。「よく見ると、パッケージにはSave sex.have a safe Lindowsと書かれている。CDブートなのでウイルスなどに感染する心配はないので、安全なLindowsOSを、安全が必要なところで使っていただきたいという願いも込めて、配布」(堀江氏)することにしたとのこと。
会場でLindowsコンドームを配布していた怪しげな着ぐるみを発見 | こちらはちゃんとした?Lindowsガール。新宿の量販店にも登場予定 | Lindowsガールと3ショットでの撮影を報道関係者に頼まれるコンドーム配布の着ぐるみ氏。ちょっと恥ずかしそう… |
タレントの松田純さんやジュリアナクイーンの荒木久美子さんも登場
また、ゲストとしてタレントの松田純さんと初代ジュリアナクイーンの荒木久美子さんが登場。松田さんは会場に設置してあったLindowsCDインストールパソコンを触りながら、「海外ロケなどでパソコンを持っていくことが多いんですけど、設定が難しいんです」と話し、CDを持っていけば日本語環境でパソコンが使用可能になるというLindowsCDの説明を聞き「へぇ~便利ですね」などとコメントした。また、荒木久美子さんは登場するなりステージやお立ち台でセクシーな扇子踊りを披露。「操作も簡単ですね」と感想をもらした。
発表会終盤に登場したタレントの松田純さんは来年4月公開予定の短編映画『秘密の花園』に出演予定。「インターネットはよく利用するので興味はあります。便利そうですね」などとコメント |
登場するなりステージ中央やお立ち台に移動してセクシーな踊りを披露した荒木久美子さん。会場となった東京・六本木の“MAHARAJA 東京”で貫禄を再現した |