デジタルで音楽をHDDにため込んだら、今度はそれをいろんな機器や場所で再生したいという欲が出てくる。ここでは、家電とPCをつなぐ周辺機器を紹介する。
ASCII24特別企画「アナタにもできるPC使いこなし講座 第1回:PCのホームAVサーバ化計画」。写真をクリックすると当該記事に移動します。 |
HDD内にMP3ファイルがたまればいろいろな場所で聞きたくなる。しかし、会社のデスクの傍らに置いたノートにヘッドホンをつなぐのならマウスで操作するのもいいが、自宅のベットに寝ころがったり、キッチンで料理をしながら聞く際にPCをいちいち起動するのもわずらわしい。そこで登場するのが、家電の顔を持ったPC用周辺機器である。
ワイヤレスで部屋と部屋を
移動しながら音楽を聴く
煩雑なケーブル処理をなくしたいなら、PCから無線でAV機器に音楽を飛ばしてしまえばいい。ヘッドホン端子に接続してFM電波を飛ばせる「FMトランスミッタ」は昔から自動車用のアクセサリとしてあるが(実売2000~5000円程度)、PC周辺機器にこれを応用した製品もある。その代表選手と言えるのが、ロジテックの「LAT-FM01U」。USBバスパワーで動作するため設置もシンプルで、サイズ的にもほぼ10cm四方/厚さ2.5cmとコンパクトだ。
写真1 ロジテックの「LAT-FM01U」。PCのUSBポートにつなぐFMトランスミッタだ。 | 写真2 富士通の「AIRJUKE FMWA-101」。Bluetooth接続でPCの音を出力できる携帯デバイス。 |
FM電波(76.8~78.0MHzの7段階)を利用するため、チューナさえ付いていれば機器を選ばないのが特徴で、携帯ラジオやミニコンポをPCのスピーカ代わりにできる。FMの音質はCDほどではないが、キッチンなどにラジカセを持ち込むなど、家の中で自由に場所を変えながら音楽を楽しみたい人に向いており、「防水ラジオ」も使える点は、音楽好きな「入浴マニア」の必須アイテムと言っていいかもしれない。ただし、電波の出力が弱く(カタログ値で見通し5m程度)、室内で使う程度なら十分だが集合住宅で屋上のアンテナを共有している場合などは使えない。
無線利用のオーディオデバイスでは、Bluetoothを利用した富士通の「AIRJUKE FMWA-101」がある。これはFMVシリーズを購入した「AzbyClub」の会員向けの製品のため、誰もが購入できるわけではないが、本体は95.5(W)×38(D)×23.5(H)mmと手の中にスッポリと入るサイズで重量は75g。電源は単4充電池×2を利用する。Bluetooth内蔵もしくはBluetooth USBアダプタを装着したPCと無線接続(見通し半径25m)して、AIRJUKEにヘッドホンやコンポをつなげばPCで再生中の音楽をワイヤレスで聴くことができる。
LAT-FM01U/AIRJUKE FMWA-101の主なスペック | ||
製品名 | LAT-FM01U | AIRJUKE FMWA-101 |
---|---|---|
メーカー | ロジテック | 富士通 |
価格 | 1万1000円 | 1万3800円 |
再生可能形式 | ── | ── |
PCとの接続 | 無線(FM) | 無線(Bluetooth) |
I/O | USB 1.1 | USB 1.1 |
音声出力 | ── | ヘッドホン端子 |
サイズ(W×D×H) | 96.8×28×100.8mm | 95.5×38×23.5mm |
重量 | 180g | 75g |
PCをサーバにして
AV機器を接続
選曲などもAV機器の側で行いたいのであれば、PCをサーバにしてクライアントとして接続するタイプの製品を選択するといい。
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写真3 オンキヨーの「NC-500」。PC上に蓄えられた音楽ファイルを再生できるコンポ。 |
オンキヨーの「NC-500」は音楽のネット受信にフォーカスした製品。“Net-Tune”と呼ばれる独自プロトコルを利用してPC上に公開された音楽ファイルをリモコン操作で取得することができる。再生可能なファイル形式は、MP3/WMA/WAVの3種類で、PC側にはオンキヨーのWebサイトで公開されている「Net-Tune Central」と呼ばれるソフトを利用する。また、富士通のホームサーバ「FMFMS-101」「FMFMS-201」やホームサーバ機能を搭載した「FMV DESKPOWER」シリーズがNet-Tune対応となっている。PC側でNet-Tune Centralに音楽ファイルを登録すると、ID3タグ情報を元にアルバム名/アーチスト名/ジャンルでカテゴリ分けされ、NC-500(最大3台まで)で参照可能となる。DHCP対応なのでブロードバンドルータなどを導入した環境ではIPアドレスなどの設定は不要だ。
選曲操作は前面の文字パネル以外にもTV画面上にメニューを出力して行えるが、日本語がカナ文字しか表示できない(漢字などは文字化けする)点や起動やネットワーク上のサーバを探すのに数十秒程度時間がかかるのは多少ストレスを感じる部分だ。とはいえ、同社のINTECシリーズとの親和性が高く違和感なく置ける外観やD/A変換時にアナログ信号の波形を整える「VLSC(Vector Linear Shaping)」という高音質化技術などは音響メーカーの持ち味が生きた部分。CDを高品質なプレーヤで再生するとまではいかないものの、一般的なPCより厚みのある音で再生できる印象だった。本体にはFM/AMチューナに加え、インターネットラジオ(Imerge社のポータルサイトに登録されたラジオ局)の受信機能も装備されている。
NC-500の主なスペック | |
製品名 | NC-500 |
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メーカー | オンキヨー |
価格 | 5万円 |
再生可能形式 | WMA/MP3/WAV |
PCとの接続 | 10BASE-T |
I/O | ── |
音声出力 | アナログ2系統 |
サイズ(W×D×H) | 205×279×91mm |
重量 | 3.9kg |