受動的に画面を眺められるTVをPCの画面で積極的に眺めるのには抵抗が……、というあなたなら、家電感覚で使えるHDDレコーダをPCと連携させて使うのがお勧めだ。
ASCII24特別企画「アナタにもできるPC使いこなし講座 第1回:PCのホームAVサーバ化計画」。写真をクリックすると当該記事に移動します。 |
“PCで録画したビデオをTVで見る”か、“ビデオで録画した画像をPCでも見る”かはホームAVネットワークの永遠の課題だろう。コンテンツ管理の観点に立てば、PCをサーバ的に使うのが便利だが、常にPCの電源を入れておくのに抵抗があったり、リモコンのスイッチを押せばすぐ起動する家電的な製品のほうが性に合っていると感じる読者もいるはずだ。そんな読者にはPCとの連携機能を持ったHDDレコーダをお勧めしたい。
録画予約だけでいいか、
動画編集まで行うか
HDDレコーダは、素直にTVとアンテナにつなぎスタンドアローンで使うだけでも便利だが、PCとつなぐことでさらに機能が強化される。そのためLANポートを装備したHDDレコーダが急速に増えているが、細かな機能を見ていくと各メーカーの考え方やターゲットによって大きな違いが出てくるのも確かだ。
PCとの連携機能で最も基本的なのは、EPG(電子番組表)である。EPGはHDDレコーダ単体でも利用できるが、インターネット上にある番組表を利用してPCからTV予約できれば、操作はさらにラクになる。
iモード、PDAなどモバイル環境からの録画予約に対応している機種も多く、新聞などのTV番組表を見ながら開始時刻と終了時刻を入力していた従来のビデオより格段に便利になっている。EPGを利用すると録画時に番組の情報も一緒に記録されるので、あとから探しやすいという利点もある。録画時に付けられたこの情報をPC上で編集できる機器も多い。
機器選択のカギになりそうなものに、PCへの映像配信機能がある。これは、HDDレコーダで録画したビデオやHDDレコーダのチューナで受信したTV番組を、家庭内のLANにつないだPC上で参照できるようにする機能だ。
これは商品コンセプトによって搭載する場合とそうではない場合がある。ソニーの「コクーン」や東芝の「RD-XS40」などは、基本的に家電的な位置づけの製品で録画した画像はTVで見るのが前提で、PCへの配信機能はない。一方で、NECの「PK-AX10」、東芝の「TransCube 10」はPCへの動画配信を備える。「TransCube 10」はPCの周辺機器として使うのが前提となっており、PCがないと機器の細かな設定も行えない。
PCに映像配信できる機種では、HDDレコーダのチューナで受信したTV番組や録画した映像をPC上で楽める。PCで受信した映像を編集してHDDに保存したり、記録型DVDに焼くこともできる。HDDレコーダで保存した番組を別のメディアに保存するだけなら、RD-XS40のようなHDDレコーダにDVD-RAMやDVD-Rを搭載した民生機でも可能なため(PCとは直接接続できないがDVD-RAMやDVD-Rに保存したコンテンツはPCで再生できる)、ライブラリ用途では十分。だが、リモコンを利用した簡易的な機能では満足できず、多少本格的に動画を編集したいなら、TransCubeやAX10のような機種を選んだほうがいいだろう。
また、PCとの連携を考えるとインターネットとの連携も視野に入ってくる。HDDレコーダの中には、無線/有線LANのルータ機能やWebサーバに近い機能まで装備している製品があり、選択肢は豊富だ。例えば、日本電算機の「iBOX」はルータ、Webサーバ、無線LANのAP、HDD録画機能など総合的な機能を持つホームサーバである。用途や予算を考えて自分に最適な製品を選んで欲しい。