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【特別企画】東芝製HDDレコーダ『RD-XS40』開発者インタビュー&ユーザーインプレッション

2003年06月15日 15時58分更新

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――ちなみにHDDのプラッタ数は

【伊藤】2プラッタです

――現在、ATAPI2系統使ってるという話ですが

【伊藤】リトライ処理が発生した時、その間ATAPIが占有されてしまうんですよね。で、例えばこの機種はHDDに録画しながらDVDから再生っていうことができますから、もう一方のところで事故が起きてしまうと録画されているものが一瞬止まってしまう、そいう事態を防ぐためですね。また、何らかの形で一方のATAPIが占有されても、もう一方がちゃんと動いているという…。

――今後、Serial ATAのHDDが採用されたりということはないですか?

【伊藤】それは市場がどうなるかによりますね。その時に標準となっていてコストパフォーマンスに優れたものを使うというスタンスですから

――他に苦労点はありますか?

【伊藤】今回、“ネットdeナビ”でイーサネット関連が追加されたんで、LANコントローラのチップを新しく採用しました。LANに関しては実験したことなかったので、PCの設計部隊に助けてもらいました。実装状態でチップメーカーさんとテストを行ったんですけど、通信距離の規格みたいなものがあって、実際に長いケーブルをもってきて評価したり…。どういう点に留意してチップを選べば良いかなども助けてもらったんですけど、そもそもPCIバスのLANコントローラっていうのはたくさんあるんですが、組み込み用に使えるものはあまりないんです。止めちゃっているところが多いんですね(笑)。だから探すの結構たいへんでしたね。

――ところで標準的な録画モードは何Mbpsなんですか?

【海野】SPモードで映像がビットレート4.6Mbps、音声が192kbps。絵と音を足して4.8Mbpsになります。

――実際、4Mbpsで観るに耐えられるものでしょうか?

【海野】そうですね、番組によって大きく違いますね。例えばドラマなんかは問題ないと思いますし、ビットレートがちょっと低くてもいいんですけれども、サッカーとか動きの激しいものや、比較的不得意なJポップの番組なんかは一番高いレートにしたほうがいい。ただし、これもお客さんにもよるし、テレビの大きさとかでもかなり違います。30インチくらいだと目立つかもしれないですね(笑)。だからお客さんに説明するのは難しいんですよ。よく質問されるのはVHSと比べてどっちがきれいなんですか?って質問。その気持ちはよくわかるし、当然の質問なんですね。ただ、場合によりけりになってきます。

――実際に購入しているユーザーの使い方は?

【伊藤】様々ですね。買ってしばらくHDD全部使ってないっていう人が結構いるんですよ。録ったら消してということをずっとやってて…。ただ、そのうちいっぱいになっちゃうんで、DVDにコピーしたいんだけど、どうすればいいの?って聞いてくるお客さんが結構いたり

――購入されているのはどういう方なんでしょう?

【伊藤】PCでキャプチャを行っていた人というよりも、ビデオを何台も持っていたというお客さんが多いですね。やはりVHSのポケットは大きいですよ。

【海野】実際に使ってもらうと、家ではそんないハードに詳しくない奥さんが使っちゃって自分が録画するスペースがないとかいうことが起きてくるんですけど、その便利さを最初にアピールするのが難しかったんです。今は買った方がさらに口コミで「すごくいいよって」伝えてくれてる状態ですね。ですから最初はマニアです。

【伊藤】質問も最初はマニアックなものが多かったんですが、普通の質問に変わってきましたからね。

【海野】そうですね、普通の質問が増えてきましたね

――ソフト面で使い安さのポイントは?

2カ月先、最大32番組まで予約可能。DVD-RAMディスクの空き容量に合せて録画するジャストモードも搭載
AB面録画機能

【海野】録るナビ、編集ナビ、見るナビという3大ナビがあるんです。例えば、録るナビにはDVD-RAMへの録画を考慮したAB面録画というのが用意されています。DVD-RAMは両面のディスクなんですけど、残念ながら面を自動的に切り替える機能を本機は搭載していないです。そこで、例えば両面使えば4時間くらい録画できる場合、そのままディスクに書き込むと途中で切れてます。そこで最初に片面分だけDVDに録画して、残りはとりあえずHDDに録画しておくという機能です。そしてRAMディスクをイジェクトしてひっくりかえしてHDDからRAMにコピーすると。しかも、例えば音楽番組だったらどこで切れるかわからなくて…途中で切れたら困るじゃないですか。だから10分だけオーバールックして録画するとか、そういうところはかなり凝ってますね



ビットレートは2.0Mbpsから一番上が9.2まで0.2Mbps刻みで30何種類

【海野】あと画質もですね、基本的には先ほどのSPとLPと2種類があって、SPは4.6Mbps、LPはその半分で2.2Mbps。大抵はこれを使っていただくんですけど、もうひとつジャストっていう機能を用意してます。予め、何時から何時まで録画したいという録画時間がわかっている場合が多いので、その時間を設定しておけば丁度ディスク1枚分に入るレートを計算して録画してくれるというモードです。あとは、マニュアル設定では一番下に1.4Mbpsという極端に長時間録りたいという場合を考慮した設定が用意されていまして、これだと6時間分くらい入るんです。マニュアル設定の場合、ビットレートは2.0Mbpsから一番上が9.2まで0.2Mbps刻みで30何種類あります。

また、我々が考えた特徴的なものにクイックというボタンがあります。これはウィンドウズのマウスの右ボタンみたいなもの。音声と映像の設定を行っている時に、そのときに使える項目が表示される。もうひとつはネットでナビっていうのがあってパソコンからの予約もできるんです。

――単純な質問なんですが、CMカットという機能はあるんでしょうか?

【海野】それは特に用意してないですね。ただ、無音部分があると目印を入れるという機能は入れてあります。それを設定しておくと自動的にチャプターを作ってくれます。

――ほかに特徴的な機能はありますか?

【海野】レート変換ダビングというのが挙げられます。例えばSPモードで5時間分HDDに録画してしまうと、もうDVDには入らなくなってしまいます。5時間ではなくて2時間10分でもいいんですけど、ちょっとだけ入らないという場合にちゃんとコピーできるレートでエンコードしなおして、HDD内にデジタルコピーを行うというものです。さらに容量節約モードというのがあります。さきほどJポップの話がでましたけど、動きの激しいところは高いビットレートで、そうでないところは低いビットレートで録画するというものですね。

まあ、今回は全部苦労しましたけど(笑)。再生しながら録画する、おっかけ再生…同時に2つのことを行う処理が結構入ってるんですよ。パソコンの場合は「録画中はほかのソフトは動かさないでください」みたいなところがあるじゃないですか?でも、我々は同時に2のことを行えるところをウリにしているので、それをきちんと処理できるようにするのが難しかったですね。



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