DDR400、FSB 333MHz最新スペックが利用可能!
Athlon用マザーボードカタログ
HTこそ登場したものの、CPUに大きな変化がなく、比較的選びやすいP4用マザーに対し、Athlon用マザーはFSB333MHzへの対応をはじめ、高速メモリへの対応など、新しい要素が登場しつつある。必要なスペックをしっかり見極めて、マザーを選ぼう。
現時点で最強のメモリ環境を実現
写真1 「K7NCR18D-Pro」。一番下にあるのはACRと呼ばれる特定機能に特化したスロット。本製品では付属のIEEE1394カードで利用する。 |
【春の集中“自作”講座】「マザーボードのスペックを読む」。写真をクリックすると当該記事に移動します。 |
NVIDIAの統合型チップセット「nForce2」の搭載ボードがついに現れた。日本での第一弾がこのLeadtekの「K7NCR18D-Pro」。North Bridgeには、ビデオ機能を内蔵しないSPP(System Platform Processor)を搭載し、South Bridgeは2種類用意されるMCP(Media Communication Processor)のうち上位モデルの「MCP-T」であり、正式なチップセット名称は「nForce2-ST」となる。
写真2 North Bridgeはビデオ機能を内蔵しないSPP。GeForce4 MX相当のビデオ機能を内蔵するタイプはIGPと呼ばれる。 |
随分待たされたとはいえ、nForce2の性能自体はAthlon用チップセットでは最強と言えるもの。DDR400で動作するPC3200 DDR SDRAMを正式にサポートするほか、nForce同様、同容量のDIMMを2枚差しすることで、128bitメモリアクセス機能を持ち、その帯域は6.4GB/秒に達する。
また、MCP-Tの機能もすごい。Dolby Digitalエンコーダを内蔵し、「Unreal Tournament 2003」に代表される対応ゲームにおいて、CPUへの負荷がほとんどなしに5.1chでの3Dサウンド環境を実現できるほか、Ethernet/IEEE1394の論理層も内蔵。本ボードにはACRスロット用のIEEE1394物理層チップのみを搭載したボードが付属しており、まさにその機能が利用できる。このほか、USB 2.0、UltraATA/133も装備する。
気になる性能だが、本ボードの場合、DIMM1とDIMM3に同容量のDIMMを装着することでメモリ性能のアップが確認でき、128bitアクセスを行っていると推察できる(グラフ1)。実際のアプリ性能では大きな差は見られなかったが(グラフ2)、KT400などVIA製チップセットなどにおいてはDDR400の効果を確認できなかったどころか、逆に性能が下がるケースすらあったことを考えると、nForce2のメモリ性能は優秀なものといえる。
nForceの登場初期は若干動作に不安な部分もあったが、今回のK7NCR18D-Proではそのような問題もなく、チップセットとしての安定性も高まる一方、IDEドライバが用意されるなど、Nvidiaチップならではのドライバ面でのサポートもしっかりしてきた。それでいて、機能面でVIAやSiSを上回るとなれば、今後の製品次第で、Athlonマザー界の勢力分布が一気に変わる可能性も秘めている。
K7NCR18D-Proの主なスペック | |
製品名 | K7NCR18D-Pro |
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チップセット(North/South Bridge) | nForce2 SPP/nForce2 MCP-T |
メモリソケット | DDR DIMM×3(最大3GB) |
拡張スロット | AGP×1、PCI×4、ACR×1 |
FSBクロック | 100~200MHz(1MHz刻み、BIOS) |
メモリクロック | FSB:メモリ/2:1、3:2、1:1、5:6、4:5、3:4、2:3、3:5、1:2 など、計13段階(BIOS) |
CPUコア電圧 | 1.100~2.000V(0.025V刻み、BIOS) |
DIMM電圧 | 2.5/2.6/2.7V(ジャンパ) |
ボードサイズ | 305(H)×244(W)mm |