21日に正式発表された“i845E/G/GL”チップセット。発表を待って販売が始まった製品や、発表後に入荷してきたものなど、各社から複数製品が登場して店頭に並んでいる。順に紹介していこう。
Intelからはi845E/G/GLそれぞれ4つずつ合計12モデル!
「D845GBV」 |
「D845EPT2L」 |
「D845GLLYL」。PC133 SDRAMに対応するモデルがラインアップされているのは現在のところIntelのみ |
発表と同時に店頭に並んだIntel純正マザーボードは、その数なんと12モデル。単一ベンダのマザーボードが同時に12種類も販売開始となったのは恐らくアキバ初ではないだろうか。
具体的な内訳を見ていくと、i845Eとi845GにはATXとMicroATXの2種類、i845GLはMicroATXのみで、DDR SDRAM対応モデルとPC133 SDRAM対応モデルの2種類が用意されている。これで合計6種類。そして、これらすべてにICH4内蔵ネットワークコントローラを利用するモデルが用意され、合計12となるわけだ。
全モデルに共通する仕様は、AC'97コーデックによるサウンド機能と、2本で最大2GBまで搭載できるメモリスロット。i845GLモデルのみAGPスロットが省かれ、さらにi845E/Gマザーボードでは4ポート用意されるUSB2.0端子が2つに制限されている。一覧は以下のとおりだ。
製品型番 | チップセット | フォームファクタ | システムバス | メモリ | ビデオ | NIC | スロット |
---|---|---|---|---|---|---|---|
D845EBG2 | i845E | ATX | 533/400 | DDR×2 | × | × | AGP/PCI×6/CNR |
D845EBG2L | i845E | ATX | 533/400 | DDR×2 | × | ○ | AGP/PCI×6/CNR |
D845EPT2 | i845E | MicroATX | 533/400 | DDR×2 | × | × | AGP/PCI×3/CNR |
D845EPT2L | i845E | MicroATX | 533/400 | DDR×2 | × | ○ | AGP/PCI×3/CNR |
D845GBV | i845G | ATX | 533/400 | DDR×2 | ○ | × | AGP/PCI×6/CNR |
D845GBVL | i845G | ATX | 533/400 | DDR×2 | ○ | ○ | AGP/PCI×6/CNR |
D845GRG | i845G | MicroATX | 533/400 | DDR×2 | ○ | × | AGP/PCI×3/CNR |
D845GRGL | i845G | MicroATX | 533/400 | DDR×2 | ○ | ○ | AGP/PCI×3/CNR |
D845GLAD | i845GL | MicroATX | 400 | DDR×2 | ○ | × | PCI×4 |
D845GLADL | i845GL | MicroATX | 400 | DDR×2 | ○ | ○ | PCI×4 |
D845GLLY | i845GL | MicroATX | 400 | PC133×2 | ○ | × | PCI×4 |
D845GLLYL | i845GL | MicroATX | 400 | PC133×2 | ○ | ○ | PCI×4 |
i845GLマザーボードのパッケージ。IntelはCeleron用と位置づけている |
一覧にしてもモデルが多くて混乱しそうだが、一番多機能で拡張性が高いのはD845GBVLとなり、もっともローコストなモデルはD845GLLYとなる。一挙12モデルの登場にはショップでも閉口しているようで、「聞かれても正確に答える自信がない」と本音をこぼす店員もいたほど。購入の際にはあらかじめ型番をしっかり覚えて店頭に行ったほうがいいかもしれない。
MicroATX版のi845Gマザーボードは珍しいこともあり、一部ショップで初回入荷分が完売しているケースもあった |
Supermicroからは“らしくない”仕様のi845Gマザー
「P4SGA」。拡張スロットはAGP×1、PCI×6、DIMM×2 |
パッケージはいつもどおりだが… |
Supermicroから登場した「P4SGA」はi845Gを搭載するATXフォームファクタの製品。Supermicroらしい、ビリジアンに近い緑色のPCBはいつもどおりながら、なんとFSBが100MHz~165MHzの範囲を1MHz刻みで設定可能だ。さらにVCoreもデフォルトに対して-0.050V~+0.200Vの範囲を0.025V刻みにて設定できるようになっており、質実剛健でオーバークロックとは無縁のイメージを持つSupermicro製品の中では異彩を放っている。さらにマニュアルによれば“Winbond Voice BIOS”によって、POSTコードの異常を音声で知らせる機能も搭載。Realtek製のAC'97コーデック“ALC650”によってアナログ6ch&デジタル音声出力をサポートし、さらに4ポートのUSB2.0追加ブラケットを同梱する。コンシューマ向けマザーボードの同梱品は追加シリアルブラケット程度といった印象の強いSupermicroからすると、もはやこれは異常事態?! ひょっとすると、今後Supermicroはコンシューマ向け製品の路線変更を行うのかもしれない。
メモリに関するオーバークロック設定がマニュアルに見られず、果たしてPC2700(DDR333) DDR SDRAMに対応するのかは未知数だが、いずれにせよ、安定性に定評のあるSupermicro製品がオーバークロック機能をサポートしたことで、さらなる人気を集めるのは間違いない。ICH4内蔵コントローラによってネットワーク機能をサポートし、実売価格は2万880円~2万1800円。