ピーアンドエーがWeb直販で発売した「Symbol Commander」は、従来Sensivaと呼ばれていたマウスユーティリティソフトで、右ボタンをドラッグしてマークを描くことで、あらかじめ割り当てられたアプリを実行したり、入力を行えるというもの。マクロ機能のように、よく行う一連の操作を記録しておくと便利だ。
2ボタンマウスでの
操作効率を大幅にアップ
皆さんはマウスの右ボタンをどの程度使っているだろうか? 右クリックメニューの表示や実行、Webブラウザでイメージの保存、よく使うという人でもエクスプローラでのファイル操作でコピー&移動を使い分けるために右ドラッグ(かくいう私もこれをよく利用する)という程度ではないだろうか。
図1 このように右ドラッグすると軌跡が表示される。「S」はエクスプローラで詳細表示に変更(Alt+V→D)するコマンドに割り当てあり、画面は表示が変更された直後。従来の右ドラッグ操作が必要な場合には、最初にCtrlを押しながら行う。 |
注意点としては、マークは一筆書きで一気に描かなければならないこと。マークの認識はさほど厳密ではなく、形が崩れていてもポイントとなる点(Qなら丸を描いたあとで左上から右下に下がる、という具合)を押さえていれば、高確率でヒットする。
上位版の「Symbol Commander Pro v.3J」では、シンボルの新規作成と無制限のコマンド登録機能(通常版では19個までだが、将来のアップデートで増える可能性もある)、およびアプリごとに異なるコマンドを登録する「プラグイン機能」が利用可能だ。ユーザーが登録できるコマンドは1つだけでなく複数の連続したコマンド実行や文字入力も設定できる。例えばメールソフトを起動して新規メールを作成し、時候のあいさつ文を入力する、あるいはAltやCtrlキーとの組み合わせで複雑なメニュー操作を自動実行させることもできる。
図2 コマンドの設定手順。設定した項目の順番をあとから入れ替えることも可能だ。IDやパスワードが必要なWebサイトでは、Tabキーと文字入力を組み合わせて自動サインイン設定も作れる。 |
実際にSymbol Commander Pro v.3Jをインストールして2週間近く使ってみたが、私の場合マウスに戻る/進むボタンがあるので、Webブラウザでのメリットはあまり感じなかった。また、シンボルも複雑なもの(アルファベットや自分で登録したもの)はつい忘れてしまいがちだが、エクスプローラのフォルダ操作で前のフォルダに「戻る」「進む」場合には「←」「→」が結構重宝する。また、最初から用意されたコマンドでは実行時に音声で命令内容を発声(割り当てられたWAVファイルを再生)するのだが、これがあるとシンボルが正しく認識されたか不正確だったかが耳で分かって便利だ。
価格は、ピーアンドエーの直販のほか店頭販売もされる通常版が4800円、直販のみのProは8800円(現在はキャンペーン価格7500円)。オンラインマニュアルのみ付属するダウンロード版なら通常版が2800円、Proは7800円で購入できる。2つボタンのマウスやノートPCをお使いで、プルダウンメニューの小さな文字にカーソルを合わせる細かい操作にうんざりしている方に、特にお勧めのユーティリティソフトだ。
Symbol Commander Pro v.3Jの主なスペック | |
製品名 | Symbol Commander Pro v.3J |
---|---|
対応OS | Windows 95/98/NT 4.0/2000/XP(Meは動作未保証) |
対応入力デバイス | マウス、タッチパッド、トラックボール、タブレット、ほか |