フィンランドのノキア社は12日(現地時間)、“CeBIT 2002”において、GSM方式の携帯電話の新製品として『Nokia 9210i Communicator』、『Nokia 3410』、『同 3510』、『同 6310i』、『同 7210』、の5機種を発表した。
ストリーミング放送の視聴が可能な『Nokia 9210i Communicatior』
Nokia 9210i Communicatorは、ヨーロッパ、アフリカ、およびアジアで利用可能なGSM方式の携帯電話。本体を横方向から開くと、4096色表示可能なカラー液晶ディスプレーとキーボードが現われる、PDA一体型の端末。
『Nokia 9210i Communicator』 |
データ通信方式はHSCSD(High Speed Circuit Switched Data)で、最大通信速度は43.2kbps。米リアルネットワークス社の『RealOne Player』を搭載しており、RealAudio、RealVideo形式のストリーミングデータを視聴できる。また、標準で電子メールソフトや、ウェブブラウザーも内蔵する。ウェブブラウザーはHTML 4.01とJavaScriptをサポートし、米マクロメディア社の『Flash Player』も搭載している。このほか、表計算ソフトやワープロソフトを備え、カレンダー機能およびファクスの送受信機能も備えている。OSには英シンビアン社の『Symbian』を採用している。
ストリーミングによる動画再生のデモンストレーション |
本体サイズは幅158×奥行き56×高さ27mm、重さは244g。最大通話時間は10時間で、最大待ち受け時間は230時間となっている。発売は、2002年度の第2四半期(4~6月)を予定している。
J2MEに対応した普及機『Nokia 3410』
Nokia 3410は同社のGSM方式携帯電話の普及機。“Java 2 Micro Edition(J2ME)”をサポートし、ゲームなどのアプリケーションをダウンロードできるようになった。Javaアプリケーションのダウンロード用に150KBのメモリーを用意している。
『Nokia 3410』 |
また、3Dグラフィックエンジンを搭載しており、同社のユーザー向けウェブサイト“Club Nokia”から、3Dアニメーションのスクリーンセーバーをダウンロードできる。また開発者向けに、3Dスクリーンセーバーの開発ツールも配布する。さらに、待ち受け画像を編集したり、編集した画像を友人などに送信できる機能も備えている。本体サイズは幅115×奥行き49×高さ22.5mmで、重さは114g。最大通話時間は4時間10分、最大待ち受け時間は260時間となっている。発売は、2002年度第2四半期(4~6月)を予定している。
GPRSに対応した普及機『Nokia 3510』
Nokia 3510は、大衆向けモデルのGSM方式の携帯電話。Nokia 3410の上位機種にあたり、パケット方式のデータ通信サービスGPRS(General Pocket Radio Service)に対応している。
『Nokia 3510』 |
特徴としては、MIDIによる着信メロディー機能や、MMS(Multimedia Messeging Service)といった機能を搭載している。着信メロディーは、標準で15曲、警告音4種類を搭載する。また着信メロディーは、MMSでほかのユーザーと送受信が可能。ノキアの端末はキーボード部分を覆うカバーが交換可能だが、着信メロディーに合わせて光るカバーや、ゲーム専用のゲームパッドのようなキーを備えるカバーなど、ユニークな着せ替えが可能となっている。
多彩な3510のアクセサリーカバー |
本体サイズは幅118×奥行き50×高さ21mmで、重さは105g。最大通話時間は4時間30分で、最大待ち受け時間は約310時間となっている。発売は、2002年の第2四半期を予定している。
3つの周波数に対応するインターナショナルモデル『Nokia 6310i』
Nokia 6310iは、900/1800/1900MHzというGPS方式の3つの周波数に対応する、GSM方式の携帯電話。ヨーロッパ、アフリカのほか、アメリカとオーストラリア、ニュージーランドでの利用が可能。
『Nokia 6310i』 |
GPRSおよびHSCSDに対応し、Javaアプリケーションをダウンロードできる。また、Bluetooth機能を内蔵し、パソコンやヘッドセット、車載用キットなどとワイヤレスで接続できる。また、eコマースサイトで買い物が可能な、モバイルウォレットの機能も搭載している。本体サイズは幅129×奥行き47×高さ21mmで、重さは111g。最大通話時間は7時間30分で、最大待ち受け時間は約400時間となっている。2002年度第2四半期(4~6月)を予定している。
多彩な機能と着せ替えカバーを用意する3バンド対応モデル『Nokia 7210』
Nokia 7210は、同6310i同様、900/1800/1900MHzの3つの周波数に対応する、世界の広い地域で利用できるGSM方式の携帯電話。
『Nokia 7210』 |
J2MEやMMSをサポートし、データ通信サービスはGRPSに対応する。また、FMラジオを内蔵している。ハンズフリースピーカーを内蔵するほか、4096色表示が可能なカラーディスプレーを備えている。さらにMIDIによる着信メロディー機能を搭載しており、インターネットから着信メロディーのダウンロードが可能となっている。標準で3つの着せ替え用カバーを用意するほか、オプションで6つのカバーを用意している。
Nokia 7210は、今後同社の携帯電話への搭載を進めるという外部インターフェース“Pop-Port”を備えた初の製品。同社は、このインターフェースの規格を公開しており、これによってPop-Port用のアクセサリーが近い将来次々と登場し、接続できるようになるという。同製品の本体サイズは幅106×奥行き45×高さ17.5mmで、重さは83g。最大通話時間は4時間で、最大待ち受け時間は約240時間となっている。2002年度第3四半期(7~9月)を予定している。
同社の第3世代携帯電話への取り組みについての発表 |
同社は12日の発表会で、米LucasFilm社との提携を発表した。これにより、映画“Star Wars”関連の着信メロディーや画像などのコンテンツを、Club Nokiaなどを介して提供するという。また同社の発表によれば、第3世代(3G)への対応として、独E-Plus社のネットワークをサポートするとしており、具体的な製品としては、9月26日にW-CDMA/GSMデュアル対応の携帯電話端末を発表するとしている。また、2002年第3四半期より、WAP2.0やXHTMLをサポートするブラウザーを搭載した端末を発売するとしている。