クリエイティブメディア初のUSBオーディオ製品となる「SoundBlaster Extigy」は、24bit/96kHzに対応したDAC、ハードウェアドルビーデジタルデコーダ、5.1chプリアウト、デジタル入出力などを盛り込んだ多機能サウンドプロセッサだ。
ノートPCでも使える
SoundBlaster
写真1 わずか4cm程度の厚みしか持たない「SoundBlaster Extigy」本体。縦置きも可能で、そのための専用スタンドが付属する。 |
その処理能力は、24bit/96kHz対応DACによって100dBのSN比を実現し、ライン入力やマイク入力にもそれぞれ独立した24bit/96kHz対応ADCが使われるなど、Audigy譲りのハイスペックだ。デジタルサンプリング周波数は入力で最大96kHz、出力で48/96kHzをサポートし、アナログデジタルともに96kHzまでのハイサンプリングを利用できる仕様になっている。
また、ExtigyはPCがなくても単体で動作するので、内蔵するハードウェアドルビーデジタルデコーダを活かして、DVDプレーヤと接続してもいい。もちろんPCと接続しているときは、DVD再生ソフトからのドルビーデジタル信号をデコードできる。
写真2 5.1ch分のライン出力は、3系統のステレオミニジャックがそれぞれフロント、リア、センター/サブウーファに割り振られている。 |
ちなみに、Extigyのデジタル出力端子からドルビーデジタル信号はスルーされないため、AVアンプなどとデジタル接続を行っても5.1chの再生はできない。例外は同社の5.1chスピーカシステム「Inspire 5.1 5700」や「DeskTop Theater PlayWorks3500」で、スピーカに付属するデジタルDINケーブルを使ってExtigyと接続した場合のみ、デジタルスルーが行われる。
写真3 単4電池2本で動く付属のリモコン。十字ボタンやテンキーがあり、付属ソフトでの再生や停止、頭出しなど細かい操作も行える。 |
価格はオープンプライスで、店頭予想価格は2万4000円前後。DVDのサラウンド環境を構築する機器としてExtigyを見た場合、やはりデジタル出力からドルビーデジタル信号がスルーされず、将来的なアップグレードに制限を受けてしまうことが気になる。逆に魅力的なのは、Audigy並の音質と多様な入出力端子がUSB音源として提供されたことで、ノートやPCIスロットに空きがないユーザーでも手軽に導入できる点だ。また、EAXのサポートやMIDIポートの装備といった、クリエイティブメディアらしい特徴も持っている。こうしたメリット/デメリットをどう評価するかが選択の鍵になるだろう。
SoundBlaster Extigyの主なスペック | |
製品名 | SoundBlaster Extigy |
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インターフェイス | 光デジタル出力、光デジタル入力、同軸デジタル入力、デジタルDIN出力、フロント出力、リア出力、センター/サブウーファ出力、ライン入力、マイク入力、ヘッドフォン出力、MIDI入力、MIDI出力、USB |
サイズ | 195(W)×205(D)×39(H)mm |
重量 | 658g |
対応OS | Windows 98 SE/Me/2000/XP |