ついに、USB2.0時代が本格的に到来するかもしれない。USB2.0コントローラをオンボードで搭載するマザーボード「K7T266 Pro2-RU」がMSIから登場し、アキバのショップで販売が始まった。
赤い基板に載るNEC製USB2.0コントローラ
ドライバは付属せず
“USB2.0”のシールが貼られたコントローラ。正体はNEC製チップだ |
赤い基板が印象的なK7T266 Pro2-RUの搭載するUSB2.0コントローラは、他社製のUSB2.0インターフェイスカードでも多く見られるNEC製チップ(型番:D720100AGM)。しかし肝心のドライバは同梱されておらず、エム・エス・アイ・コンピュータ・ジャパンによると「Windows標準のドライバで動作する」とのことだ。現在のところMicrosoftから正規版のドライバが配布されてはいないため、英語版のWindows Updateから入手可能だというWindows XP/2000用のβドライバを使用するか、正規版のリリースを待つ必要があるだろう。
なおマイクロソフトによると、Windows XP用のUSB2.0ドライバは、同製品の発売と同時にWindows Updateなどにおいて提供予定とのこと。これは、Windows XPの製品版が完成するまでにUSB2.0をテストする時間が十分になかったための措置だという。またWindows 2000/Meについても、XPより少し遅れて、同じくWindows UpdateやService Packなどで配布する予定があるとしている(※1)。USB2.0対応デバイスをバリバリ使いたい人はもう少しの辛抱だ。
※1 Windows 98/95用のMicrosoft製ドライバは用意されない。このため、これらのOSでUSB2.0機器を利用したい場合は、デバイスベンダ側の対応が必要になる。基本的にはクセのないIDE RAID搭載マザー
USB2.0ポート用ブラケット |
USBポートはUSB2.0(High Speedサポート)×4、USB1.1×4。USB2.0は同梱のハーネス付ブラケットでPCIスロット部へ4ポートを引き出す仕様になっている。そのブラケットには“HI-SPEED”のロゴがプリントされているのが印象的だ。また、USB1.1はオンボードのバックパネル部に2つ、そして残り2ポートはMSI独自のPOSTコード表示機能である「D-LED」の4つのLEDとセットになった「D-Bracket」というMSI独自のブラケットに用意されている。従来のD-LEDもボート上にあるので、USB合計8ポートすべてを使わない、あるいは、D-LEDをケースの外側に引き出すつもりがないなら、ブラケットで貴重なPCIスロットを塞いでしまわずにすむ。
Stormで実機デモ中の「K7T266 Pro2-RU」 |
対応コントローラ以外に目を移すと、先行する他社製Apollo KT266Aチップセット(VT8366A+VT8233)搭載マザーボードと、仕様面に大きな違いはない。Promise製のIDE RAIDコントローラ「PDC20265R」を搭載し、拡張スロットはAGP×1、PCI×5、CNR×1で、DIMMスロットは3本(最大3GB)。FSBは、基準となるクロックを100MHz/133MHzから選択してから、100MHz選択時は100~120MHz、133MHz選択時は100MHz~131MHz、133MHz~164MHzの範囲を1MHz刻みで設定できる。また、詳細は不明ながら、CPU倍率やVCore、DIMMスロット供給電圧も設定可能なようだ。
USB接続タイプのセキュリティキーで、機能をBIOSから有効にすると、差さなければシステムの起動ができなくなる「MSIスマートキー」が購入特典として付属し、価格はStormで1万9800円。このほか、高速電脳やT-ZONE.PC DIY SHOPなど複数ショップが明日、もしくは近日中の入荷を予告している。IRQの問題はさておき、USB2.0コントローラで貴重なPCIスロットを埋めたくない、でもUSB2.0は使いたいという人は要チェックだ。
パッケージ上には「Supports USB2.0」の文字が躍る |
- エム・エス・アイ・コンピュータ・ジャパン
- K7T266 Pro2シリーズ製品情報
- マイクロソフト
- Microsoft
- USB2.0ドライバサポートについて(Microsoft)
- USB Implementers