2001年5月、その薄さでPCユーザーの度肝を抜いた“MURAMASA”こと「PC-MT1シリーズ」と同時に発表されたのが、シャープとしては初のCrusoe搭載マシンである「PC-SX1-H1」だ。PCメーカー各社が発売しているCrusoe&ミニノートとはコンセプトを異にするこのSX1こそ、シャープからミニノート市場への提案だと言えよう。
質実剛健な設計のミニノート
PC-SX1-H1を真上から見たところ。外で使う機会が多いであろうということで、カバーのロゴは開いたときにMebiusと読めるべく、ヒンジ側を下にしている。メタリックシルバーのボディ部はマグネシウム合金、コーナーのブラックは樹脂製と、2つの素材を組み合わせている。 |
10.4インチ1024×768ドット/フルカラー表示のTFT液晶のフレーム部分(ここもカラーはツヤ消し黒だが、素材はマグネシウム合金)がいまどきのノートPCとしてはやや広く見えるが、これもカバンなどに無造作に突っ込んでアグレッシブに持ち歩くことを前提に、耐久性を重視した設計思想からだ。
PC-SX1-H1の側面。コネクタ類はすべて両側面に並ぶ。ちなみに、上の写真は同時発表の激薄ノートMURAMASA「PC-MT1」に重ねている。 |
TM5600というCPUは、チップセット(NorthBridgeに相当するメモリコントローラやPCIバスコントローラなど)の機能も内蔵しており、ALiの「M1535」(I/Oコントローラなどを実現するSouthBridge)と組み合わせて一般的なノートPCよりも少ない部品点数で構成されている。この組み合わせはCrusoeノートではごくノーマルだが、さらにPC-SX1-H1はSDカード&スマートメディアのコントローラチップを搭載し、本体前面にそれぞれのスロットを標準装備しているのは、Crusoeに限らずノートPC全般を見回しても珍しい存在だ。本機をデジタルカメラなどと一緒に外出先へ持ち出せば、PCカードアダプタやメモリカードリーダなどを接続することなしに、すばやく画像を確認したりトリミングなどの編集を行える。
もちろん、通常のPCカードスロットも左側面に備えており(TypeII×1)、上記以外のメモリカード(CFやメモリースティック)などにも対応できる。
PC-SX1-H1の前面および背面。前面の左寄りにスマートメディア&SDカードスロットを標準装備している。これを使ってデジタルカメラのデータにもすばやくアクセスできる。背面のコネクタは増設バッテリに接続するためのもので、普段はスライドカバーを閉じておく。 |
ビデオチップは、「PCG-C1VSX/K」と同じくATIの「RAGE Mobility-M1」を採用。ビデオメモリは4MBをビデオチップに内蔵し、液晶と外部モニタの同時表示も可能だ(同じ内容を表示するツインモニタと、異なる2画面を表示するデュアルモニタの両方に対応)。