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ゲーム会社営業担当者の1日

2001年09月01日 22時16分更新

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ゲーム営業部員のよくある1日

 午前8時30分、出社。営業の朝は朝礼ではじまる。幸いなことに、我が社には朝っぱらから大声で社訓を叫んだり、変な体操をしたりする習慣はなかった。朝礼は部長のありがたいお言葉で始まるのだが、この部長がよく遅刻するため、朝礼のメインイベントであるお言葉は、聞けない日も多かった。

 午前9時15分、営業活動開始。早くも社内での仕事を片付け、外に飛び出す。やっぱりヤル気のある営業マンは違うぜ! というわけではまったくなく、あまりにも業績が悪いため「少なくとも9時15分までには会社を出て、ヤル気を見せるように」とのお達しがあったからだ。名付けて「営業は早く外に出ろ令」(そのまま)。本当はもうちょっと会社でゆっくりしたいに決まっている。そもそも、ゲームショップなどは大抵、開店時間が11時とか12時である。こんな時間に外に出てもどこにも行く所がないのはちょっと考えればわかるはずなのだが……。

 と、いうわけで店が開く時間までに、まずはゆっくりブレックファースト。やっぱり朝マックは最高だっ!
 しかしそれでも時間は余りまくりだ。そんな時にはとりあえずゲームの営業マンらしく秋葉原へGO! そしてメインストリートから少し外れた、目立たないマンガ喫茶へIN!! 昔の少年ジャンプ系のマンガを読み漁るのだ。これは、コアなマンガファンの多いゲームショップの店長さんと話を合わせるため、あくまでも自分の趣味ではなく仕事のためなのだ。このあたり、勘違いはしないでほしい。

イメージ画像
※写真はイメージです。実在するショップとは関係ありません

 マンガ喫茶に飽きてしまったら……じゃなくて、マンガ関連の情報収集が終了したら、パチンコ店へGO! しかし、間違っても中央通り沿いの店などに行ってはいけない。なぜならほかのメーカーの営業マンや、遅番勤務を控えたゲームショップの店員さんに会ってしまい、気まずい思いをするのも困るからである。平日の昼間から思う存分パチンコ三昧。一見優雅そうだが、しかしこれも仕事なのだ。パチンコ店、特にスロットコーナーにはアルゼ、サミーといったゲーム業界にも進出しているメーカーの台が目白押しで、最近ではパチンコ液晶画面のグラフィック制作をゲーム会社がやっていることも多い。そのため、営業マンとしては予備知識として当然これを研究しないわけにはいかないわけである。もちろん、景品コーナーにどんなゲームソフトが置いてあるのかチェックするのも忘れてはいけない。しかし、景品コーナーをじっくり見学するのは、玉を出してからというのが当然の礼儀であろう。そのために僕は打った。それはもう、打って打って打ちまくった。しかし秋葉原の、しかも目立たない場所の客もまばらなパチンコ店でそうそう勝てるわけもない。そう、予想どおり負けて負けて負けまくった。そんなこんなで半日で5万円も負けた日にはその日の仕事は終了。馬鹿らしくて外回りなどやってられない。

 しかし、ここでまた1つ問題が発生する。「営業はあんまり早く帰ってくるな令」だ。
 先に述べた「営業は早く外に出ろ令」と同様に、この絶対的規則が制定、施行されていたのだ。これを破った者には、会社に戻った際に営業事務の女の子や上司から冷ややかな視線を浴びせられるという罰則が与えられる。もちろん査定にも響くこと間違いなしだ。

 そんなわけでパチンコで負けたせいで営業しようにも交通費さえなくなってしまい、さらには会社にも帰れない。そんな非常時にはリーサルウェポンの発動を試みるしかない。



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