以下、電電宮を取材するに至った経緯と、電電宮の由来について紹介する。
ASCII24編集部で電電宮を取材することになったのは、月刊誌編集長EとASCII24編集長Hの何気ない会話が始まりだった。
法輪寺山門 |
ゴールデンウィークに帰りました
5月5日、端午の節句、ゴールデンウィークも残すところあと2日となったこの日、実家(※2)で体を休めるひまもなく、私は京都へ向かった。電気電波の神様“電電明神”を祀った“電電宮”は、京都嵐山の“法輪寺”の寺内にあるという。
阪急電鉄嵐山駅から徒歩約5分、家族連れでにぎわう休日の嵐山。法輪寺は、足利尊氏の日元貿易船“天竜寺船”で有名な天竜寺や、桂川に架かる風光明媚な“渡月橋”のすぐ近くにあった。
※2 兵庫県加古郡稲美町。神戸市と明石市と加古川市に囲まれた、文字通りどこまでも稲の青い穂が続いている町。ミステリーサークルができた時、それを利用して町おこしをしようとしたらしい。山門をぬけると石段が続いている |
山門をぬけると、青々とした木々におおわれた、ゆるやかな傾斜の石段が続いている。石段を登りきると、正面に古い、趣きのある建物が見えてくる。それが法輪寺の本堂だ。この日は“十三参り”で、大勢の人でにぎわっていた。十三参りとは、七五三に似て、13歳になった子供が厄をはらい、知恵を授けてもらうためにお参りするもので、3月13日から5月13日かけて、毎年行なわれている。十三参りは京都で、特にこの法輪寺で、盛大に行なわれているという。
法輪寺本堂。ゴールデンウィーク中の十三参りということで、大勢の人でにぎわっていた。本堂からは読経の声が聞こえ、お払いをしてもらう、着物を着た子供たちもいた |
本堂の周囲では、十三参りに来た子供たちやその家族、嵐山めぐりの途中で立ち寄った人が大勢集まり、本堂からは読経の声がひびいていた。電電宮は、その本堂に至る石段の中腹、木立の中の静かな一角にある。
石段の中腹、左にそれたわき道の奥に電電宮はある |