開催中の“CeBIT 2001”において、英シンビアン社(※1)は次世代スマートフォン向けソフトウェアプラットフォームの新バージョン“Symbian Platform v6.1”を発表した。2001年下半期にv6.1を搭載したスマートフォンが登場する予定。ascii24では、同社のビジネスリレーションシップ担当副社長、ジェレミー・コップ(Jeremy Copp)氏に今後の展開についてインタビューを行なったので、その模様とあわせて紹介する。
※1 フィンランドのノキア社、スウェーデンのエリクソン社、米モトローラ社、英サイオン社、松下通信工業(株)が出資するソフトウェア企業。かつてサイオンがPDA向けに開発したOS“EPOC”の権利を受け継ぎ、各社にライセンスを提供している。ビジネスリレーションシップ担当副社長、ジェレミー・コップ(Jeremy Copp)氏 |
シンビアンの株主のセットメーカー、ノキア、エリクソン、モトローラ、松下通信工業は、世界中のハンドセットの7割以上のシェアを持っており、シンビアンはこの市場で非常に強力な立場にあるといえます。
現在シンビアンのプラットフォームを搭載している端末としては、エリクソンの『R380』があり、まもなく発売されるノキアの『9210』コミュニケーターをはじめ、20ほどの製品が計画されています。
日本企業では松下通信工業のほか、ソニー(株)、(株)ケンウッド、三洋電気(株)とライセンス契約を結んでいるほか、(株)NTTドコモともW-CDMAの端末で緊密な関係にあります。
シンビアンのプラットフォームv6.0を搭載したノキアの『9210』 |
今回のCeBITでは、v6.1の発表のほか、もう1つニュースがあります。コネクティビティーに関する戦略的パートナーシップです。企業において将来、シンビアンのプラットフォームを搭載したスマートフォンから、ネットワークを通じてデータや音声の同期を可能にするソリューションを提供するものです。この戦略的パートナーシップを、米フュージョンワン社、米Starfish Software社、米Aether Systems社、米Pumatech社と結びました。また、米IBM社とも同様のパートナーシップを発表しました。これによって、IBMのデータベース『DB2』といったIBMの持つeビジネスソリューションを、スマートフォンを通じて活用できることになります。
3つの携帯のデバイスをターゲットにしていますが、それらに共通のソフトウェアプラットフォームを提供することが我々のビジネスです。形は違ってもそれらに、共通のプログラミングインターフェース、共通のデータフォーマットを提供できます。
シンビアンが発表会で示した各国の2.5G/3G携帯電話サービスの開始時期と普及時期のグラフ |
シンビアンのスマートフォン向けソフトウェアプラットフォームv6.1のデモ画面。なにか作業(メールを書いていたり)していても、外からメールが届いたり呼び出しがかかると、それに関連するメニューがポップアップするので、すぐにそれに応えるアクションが行なえるという。左下の“i”のロゴはiモードではなく、シンビアンのロゴ。メニューを呼び出すボタンになっている |
v6.1のメール機能。受信ボックスの表示例。狭い画面を最大限利用するため、メールの状態が各種のアイコンで表現している |