ドイツ時間の22日に開幕した“CeBIT 2001”において独パーム社は、19日に発表した新型機『Palm m500』と『Palm m505』を自社ブースに展示した。この新製品が一般ユーザーの手にできる形で公開されるのは初めてということもあり、黒山の人だかりとなっていた。
パーム社のブースは大勢の人でにぎわっているが、なかでもm500/505の展示コーナーは大人気 |
パームは同日に記者発表会も開催したが、こちらも大勢の記者が開場前に長蛇の列を作った。同社は以前からCeBITのたびに記者発表を行なっているが、記者の人数は今回が飛び抜けて多く、ヨーロッパでのパーム端末人気をうかがえた。発表会の内容はヨーロッパ市場を中心としたマーケティング戦略とm500/505の紹介だった。日本のパーム関連の発表会でもおなじみの米パーム社最高マーケティング責任者のサジブ・チャヒル(Satjiv Chahil)氏は、「ヨーロッパではかつて英サイオンが大きなシェアを持っていたが、いまやパームが過半数を占めるまでになった。日本でもシャープが同じように過半数のシェアを持っていたが、やはりパームが大きなシェアを獲得した。これはパームの使いやすさが世界中で受け入れられている証拠だ」などと述べた。
ヨーロッパのPDA市場の'99年と2000年のプラットフォーム別シェア比較。パームの一人勝ちの様相 |
昼間は大混雑のパームブースだが、展示会終了後にプレス関係者だけに開放され、ゆっくりと見てまわることができた。サードパーティーの展示は一部しか見ることができなかったが、m500/m505や気になった周辺機器などの画像をお届けする。
『m505』(ドイツ語版)。IIIcでは256色表示だったが、6万5000色表示となったことで、表現力が明らかに向上した |
『m500』(ドイツ語版、右)と『IBM WorkPad30J』(日本語版)の比較。m500の液晶ディスプレーは、地の色がより白いものに替わりコントラストが高まっているのがわかる |
m505のメインメニュー。液晶表示は非常にきれい |
電卓は10桁になり、税金計算や平方根、逆数計算も可能になりぐっと実用性が増した |
なんとm500日本語版パッケージ(試作。変更の可能性あり)も展示されていた |
『Palm V』シリーズの背面に装着して、GSM方式のスマートフォンに変えてしまうという『CarpeDiem V』。アジアとヨーロッパで使えるデュアルバンドタイプで、今年後半に発売予定。香港のREALVision社の製品。右側に付いているのはBluetooth通信モジュールの試作品 |
CarpeDiem V本体。この製品がうまく売れれば、m500/505向けの製品も開発したいとのこと |
ARMプロセッサー(206MHz動作)を搭載した、次世代Palmプラットフォームの開発用基板。開発中のPalm OS 5.0を使って、従来のアプリケーションも問題なく動作するというデモを行なっていた。ARM搭載のPalmは2002年に登場の予定 |
一見単なるプラスチックのハードケースだが、実はBluetoothのチップとアンテナを組み込んだBluetoothアダプター。パーム社の展示だが、あくまでもテクノロジーデモンストレーションで商品化するかどうかは未定という |