日本ガートナーグループ(株)のデータクエスト部門の20日の発表によると、米ガートナーグループ社は現地時間の15日、全世界における2000年の携帯電話端末出荷数が4億1270万台であったと発表した。
同社は、一部のメーカーや流通チャネルで不振が見られたものの、総出荷数は1999年に比べ45.5パーセント増加し、携帯電話端末市場全体として、2000年は順調に成長したと評価している。ただし、2000年第4四半期(2000年10~12月)は、それまでの推移と比較すると成長が鈍化し、そのため、年間出荷台数は、第3四半期(7~9月)終了時にデータクエストが予測した4億2000万台を下回る結果となった。
メーカー別出荷数では、ノキアが1位を獲得し、1999年に比べて2位以下との差を広げた。日本メーカーでは、前年に引き続きパナソニックが5位を獲得したほか、三菱電機(8位)、および京セラ(9位)がそれぞれ10位以内にランクされている。
2000年における世界の携帯電話出荷数メーカー名 | 順位 | 出荷(台) | シェア(%) | 1999年度の順位 | 同年度の出荷(台) | 同年度のシェア(%) |
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ノキア | 1 | 1億2637万 | 30.6 | 1 | 7634万 | 26.9 |
モトローラ | 2 | 6009万 | 14.6 | 2 | 4782万 | 16.9 |
エリクソン | 3 | 4147万 | 10.0 | 3 | 2979万 | 10.5 |
シーメンス | 4 | 2699万 | 6.5 | 6 | 1298万 | 4.6 |
パナソニック | 5 | 2151万 | 5.2 | 5 | 1558万 | 5.5 |
その他 | - | 1億3630万 | 33.1 | - | 1億107万 | 35.6 |
合計 | - | 4億1273万 | 100.0 | - | 2億8358万 | 100.0 |
データクエストでは、2000年は携帯電話産業にとって過渡期であったと分析している。まず、端末に関して、世界的に見て需要を満たせるだけの供給量が確保されたこと、第2に、中国を始めとする一部のアジア市場に、比較的小規模な端末メーカーが参入し、市場構造に変化が見られたこと、第3に、2000年に欧米市場でブラウザーフォンの提供が開始されたことを挙げている。ただし、これは、当初期待されていたほどのユーザーを獲得できなかったとしている。また、携帯電話事業者は、戦略の焦点を、新規ユーザーの獲得から既存ユーザーのロイヤリティ確保へとシフトさせ始めたとみている。
以上より、同社は、携帯電話端末市場は、長期的に見て試練の時期を迎えつつあるとみている。今後、十分な利益を確保できるのは一握りのメーカーに限定され、メーカー順位についても上位の顔ぶれが大きく変る可能性がある。特に、日本メーカーは全般的に消費者家電やパソコン分野で実績を有しており、その商品開発力は、今後の携帯電話端末市場を大きく変えるに足る影響力を持っていると分析している。