(株)ジュピターテレコムと(株)タイタス・コミュニケーションズは27日、両社を統合することで合意したと発表した。日本第1位と2位の統合により、グループのケーブルテレビ局数が24社、加入者世帯数が約75万世帯の規模となる。*
*ケーブルテレビの加入件数は、平成10年('98年)末の時点で約1580万件。ジュピターが約65万件、タイタスが約10万件
両社長を中央に、両社の株主が握手を交わす |
両社は“統合”という言葉を用いているが、存続会社が1つとなるわけではない。タイタス普通株1株に対して、ジュピターが新規発行する普通株約0.32株を割当交付する株式交換の形で、タイタスをジュピターが100パーセント子会社とする、事実上買収となっている。
なぜ、買収でなく“統合”なのかについて、ジュピターの代表取締役社長である石橋庸敏氏は、「ジュピターは、自ら(ケーブルテレビ局を)運営しているわけではない。ライセンスは局が持っている。合併では許認可の変更に時間がかかるため、この形態になった」と説明した。
出席した株主は統合についてそれぞれに、「スケールメリットを活かしていく」と言っていた。住友商事(株)の常務取締役である西條温氏は、「ケーブルテレビがネットとしての意味を持つようになってきた。ネットじゃないと意味がない。(今回の統合が)ケーブルテレビをネット化するさきがけになったのではないか」と述べた。
統合後の新ジュピターは資本金が470億円。株主構成は、住友商事とリバティメディアグループがそれぞれ35パーセント、マイクロソフトグループが24パーセント、(株)東芝と伊藤忠商事がそれぞれ3パーセントとなる。代表取締役会長兼CEOには石橋氏、代表取締役社長にはタイタス現社長のリー・ダニエルズ(Lee
A. Daniels)氏が就任の予定で、9月1日の統合が目標という。
ジュピターの石橋社長と、タイタスのダニエルズ社長 |
ジュピターテレコム系ケーブルテレビ局でサービスがスタートし始めたばかりの、アットホームジャパン(株)のインターネット接続サービス“@NetHome”に関して、「今後の検討課題」(石橋氏)、「いっしょにやっていけると思う」(ダニエルズ氏)と語った。
「今後の事業展開については、これから検討する」(石橋氏)ということで、両社が提供しているサービスがどうなるのかなどについては現時点では語られなかった。