日本アイ・ビー・エムは、1U(4.4cm)という薄さを実現したラックマウント型PCサーバ「Netfinity 4000R」を発表した。本製品はラックに大量のサーバを収容するISP/ASP、あるいはインターネットデータセンターなどのホスティングサービス業者の需要に応える製品と位置づけられている。
Netfinity 4000Rは、Pentium-III 650/750MHz(L2 256KB)を最大2基まで搭載可能で、メモリは最大1GBまで拡張可能。標準で9.1GBのSCSIハードディスクが搭載される(最大2台搭載可能)。全3モデルのスペックは以下の表のとおり。なお、「ロータス ドミノR5」が標準添付され、NT版のほかLinux版も選択できる。
「Netfinity 4000R」 |
型番 | 8653-51Y | 8653-41Y | 8653-45Y |
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CPU | PentiumIII-650MHz | PentiumIII-750MHz×2 | PentiumIII-750MHz×2 |
メモリ | 256MB SDRAM | 512MB SDRAM | 1GB SDRAM |
HD | 9.1GB(Wide Ultra SCSI) | 18.2GB(Wide Ultra SCSI) | 18.2GB(ServeRAID) |
NIC | 10BASE-T/100BASE-TX×2 | 10BASE-T/100BASE-TX×2 | 10BASE-T/100BASE-TX×2 |
価格 | 58万円 | 99万円 | 134万円 |
出荷開始予定日 | 3月17日 | 3月17日 | 3月17日 |
4000Rを中心にしたビジネスに関しては、Windows 2000はもとよりLinuxにも力を入れるという。「Linuxで問題なのは、実績がないところ。だからIBMとしてLinuxによるソリューションをどんどん提供することにより、実績を作っていきたい。実際、Solarisベースの1/4~1/5でソリューションが実現できる。特に4000Rに関しては、NTとLinuxの比率を半々ぐらいにしたい」(パーソナルシステム事業部 堀田一芙 氏)とのこと。今までのハードウェアや周辺機器の動作確認というレベルから、開発に関する技術情報の提供、あるいはソースコードの解析といったレベルにサポートを強化していく。4月からは、検索可能な技術データベースのWebサイトへの掲載や電子メールでの質問、マニュアルのWebページ化などを行なうインターネットサポートサービス「eサポート」も開始する。
また、SSLの公開鍵暗号の計算をサーバのCPUに負荷をかけずに行なう「IBM Crypt HighWay SSL公開鍵暗号アクセラレータPCIボード MEAX32P(Model-1)」のモニターサービスの開始もあわせて発表された。これはEコマースサイトなどで必須ともいえるSSLの暗号化処理を、32個のVLSIチップで行なう専用のPCIボード。今までのようにソフトウェアで計算処理を行なうのに比べ、サーバのCPUに負荷を与えないため、システム全体のスループットの向上がはかられる。今回発表されたのは、このボードを300以上のISPに試用してもらうというキャンペーンである。
単なる「薄いサーバ」にとどまらず、これらを使ってどのようなビジネス展開を行なっていくのかが伺える興味深い発表会だった。