撮影機材は何が必要か?
ミリタリーイベントの撮影で準備したいのは、やはり望遠ズームだ。特に展示飛行や展示演習などの実動展示は見せるためにやっているとはいえ、安全管理のために被写体に近づけないことが多い。そのため、できるだけ長い焦点距離のレンズを選びたい。そして、撮影位置が限られていることから、単焦点レンズよりもズームレンズが便利だ。ミリタリー・イベントは基本的に日中の明るい時間帯にしか行なわれないので、少しくらいF値が暗くても焦点距離が長く、ズーム比が大きいレンズの方がよいだろう。
ニコンやキヤノンの場合は撮像素子サイズが違うボディがラインナップされているが、望遠ズームの場合は、APS-Cサイズの撮像素子を採用した機種(キヤノンならEOS 50D、ニコンならD300等)のものが、見かけ上の焦点距離を稼げて便利だ。
写真の撮り方のような本やサイトには、望遠レンズには三脚必須といったことが書いてあるが、ミリタリーイベントの撮影には邪魔なだけだと思う。場所が限られているたため、最前列を確保しないと三脚につけたカメラを自由に向きを変えることは難しいし、航空機を撮影しようと上に向けたりするのも一苦労であるからだ。
今ではデジタル一眼レフを買う時に最初に一緒に買うのは標準ズームだろう(ふた昔前は単焦点レンズが主流だった)。これも忘れずに持参しよう。レンズキットを買った人は最初についている標準ズームでオッケー。デジタル一眼レフが一台しかないならば望遠ズームを装着しておき、必要があれば標準ズームに交換するのが良いだろう。カメラボディを2台準備できるならば、1台に望遠ズーム、別の1台に標準ズームを装着しておきたい。特に展示演習の場合はシナリオ進行上、さまざまな機体や車両が同時進行で登場することがあるので、近い位置と遠い位置、全景とアップなど、同時に撮りたいシーンが出てくることがある、2台のデジタル一眼レフに違うレンズをつけておけばレンズ交換の手間がなくなるため、さまざまなシーンを逃さず撮影することができる。また、装備品展示を撮影するには望遠ズームは焦点距離が長すぎて画角が狭すぎるため、標準ズームが必需品になる。
また、見学者が多く詰め掛けるイベントの場合は、装備品に人が写りこまないように撮影するのが難しいことがある。もし持っているならば広角ズームがあると便利なこともあるので、忘れずに持参しよう。
ズームレンズが有効な典型的なシーン。APS-C機の135ミリ域でヘリコプターの機体全体を撮った1.5秒後に、射撃時のクローズアップを260ミリ域で撮影。単焦点レンズを付け替えていては、このようなアップと引きの切り替えには対処不能だ
まとめ
- カメラ本体は見かけの焦点距離の稼げるAPS-C機が便利だ。
- レンズは単焦点よりもズームがオススメ。
- ミリタリーイベントは日中開催がほとんどなので、F値が多少暗くとも焦点距離の長いレンズがオススメ。
- 三脚は無くともたいてい大丈夫。
- カメラ本体は2台あるとレンズ交換の手間と時間を無くすことができ、シャッターチャンスを増やすことができる。
- 広角レンズがあると、大きめの被写体でも全景を写し込めることが多くて便利。
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