SDメモリーカード内に無線LAN機能を内蔵し、撮った写真をそのままパソコンやSNSに転送できる「Eye-Fi」が人気を呼んでいる(関連記事1)。しかし、特殊なカードを利用しなくても、カメラに無線LAN機能を内蔵させて、直接写真を転送できれば使い勝手はもっとよくなる。
そんな思想で作られたデジタルカメラ「DSC-G3」が、ソニーから発表された。価格はオープンプライスで、予想実売価格は5万5000円前後。
DSC-G3は、2007年3月に発表された「DSC-G1」の後継機種だ(関連記事2)。無線LAN機能と当時としては大容量の2GBメモリー、3.5型とコンパクトデジカメでは大きい液晶ディスプレーを備えて、写真を撮るだけでなく、フォトビューワーとしての使い方を重視した製品だった。Eye-FiのSDカードタイプが発表されたのが2007年10月なので、カメラに無線LANを取りこむ製品としては先行していたのだが、DSC-G1はカメラとパソコン、あるいはカメラ同士でのデータ交換といった、Eye-Fiとは異なる方向性を模索していた。
新しいDSC-G3では、無線LAN(IEEE 802.11b/g)を使った写真の転送機能を大きく改良した「かんたんアップロード」機能を搭載。無線LAN経由で撮った写真を、カメラから直接mixiやPicasaのウェブアルバムへと簡単に転送できるようになった。写真だけでなく撮影した動画も、YouTubeやeyeVio、Dailymotionなどの動画投稿サイトへ直接投稿できる。
さらに、ウェブブラウザーの「NetFront 3.4」を内蔵しているので、かんたんアップロードに対応していないSNSや投稿サイトであっても、ブラウザーからアクセスして撮影写真を投稿できる。DSC-G3の広い画面で、汎用のウェブブラウザーを使って任意のウェブサービスを利用できるのは、Eye-Fiにはない強みだ。かんたんアップロードに対応するサービスなら、写真を投稿したことを簡単にメールで友人に通知するといったことも可能だ。
撮影に関する仕様や機能は、「DSC-T700」(関連記事3)とほぼ同等。1010万画素の1/2.3型CCD撮像素子を内蔵し、光学4倍ズームと光学式手ぶれ補正機能を備える。画像処理エンジン「BIONZ」を内蔵し、人気の笑顔認識機能「スマイルシャッター」や、シーンに応じた自動撮影設定機能「おまかせシーン認識」といった機能は、もらさず備えている。
液晶ディスプレーはT700と同じ3.5型ワイドのタッチパネルタイプで、約92万ドットの高精細なディスプレーとなっている。内蔵メモリーは4GBで、こちらもT700と同等だ。内蔵するアルバム機能を利用して、VGAサイズなら4万枚の写真を持ち運んで鑑賞できる。
記録媒体はメモリースティック デュオ/PRO デュオ/PRO-HG デュオに対応。付属バッテリー「NP-BD1」による撮影可能枚数は約100枚。
主な仕様は以下のとおり。発売日は1月16日の予定。
DSC-G3のスペック | ||
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撮像素子 | 1/2.3インチ有効1010万画素CCD | |
レンズ | 光学4倍ズーム | |
焦点距離 f6.18~24.7mm(35mmフィルムカメラ換算時:35~140mm)、F値 F3.5-4.6 | ||
静止画撮影 | 最大3648×2736ドット | |
ISO感度 | オート、ISO 80/100/200/400/800/1600/3200 | |
動画撮影 | 最大640×480ドット、毎秒30フレーム、MPEG-1形式 | |
ディスプレー | 3.5インチワイドTFT(約92.1万ドット) | |
内蔵記録メモリー | フラッシュメモリー 約4GB | |
メモリーカード | メモリースティック デュオ/PRO デュオ/PRO-HG デュオ | |
インターフェース | マルチ端子(USB、AV出力) | |
電源 | リチウムイオン充電池「NP-BD1」付属 | |
撮影可能枚数 | 約200枚 | |
本体サイズ | 幅101.7×奥行き19.4×高さ62.3mm | |
重さ | 約198g(撮影時重量) | |
予想実売価格 | 5万5000円前後 |