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テレビ時代の終焉で生まれた、お茶の間家電の革命児

TP1、TEO、Lui――リビングPCの基本と選び方

2008年08月27日 09時00分更新

文● 湯浅 英夫

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それじゃTEO、Lui、TP1のどれを買えばいいの?

 最近は、これらの機種のほかにもHDMI端子を搭載したパソコンが増えている。もちろんこうしたパソコンも、HDMI端子でテレビに接続して、テレビをディスプレー代わりに使うことができる。ただしTVチューナーやリモコン操作向けのブラウザー、リモコン操作向けAVソフトなどが搭載されているとは限らないので注意したい。

 それでは上記の代表3機種のどこがオススメなのか順番に紹介していこう。


富士通 FMV-TEO

FMV-TEO(型番「FMVTEA90D」)

湯浅が斬る! 富士通 FMV-TEO
FMV-TEOのここが◎ 家族みんなで幅広く使える「パソコン」が欲しい人にオススメ!
FMV-TEOのここが△ どこをとっても無難な出来だが、録画番組や取り込んだ写真・動画の活用方法の提案は欲しかった。

 富士通の「FMV-TEO」シリーズは地上デジタル・BSデジタル・110度CSデジタル放送チューナーを2基搭載し、2番組同時録画に対応しているのが特徴。AV機器風のデザインで、違和感なくリビングルームに設置できる。

 上位モデルのFMVTEA90Dは750GBのHDDとBlu-ray Discドライブを搭載。FMVTEA70Dは500GBのHDDとDVDスーパーマルチドライブを搭載するのが大きな違いだ。そのほかはほぼ同じで、ともにAMDのPumaプラットフォームを採用している。ディスプレイ接続端子はHDMIとDVI-D(HDCP対応)を搭載する。

本体前面には音声入出力、USB 2.0、IEEE 1394、SDメモリーカードスロット、B-CASカードスロットを搭載する

本体背面にはHDMI、DVI、モデム、LAN、USB 2.0×4、光デジタル出力などを搭載

 本体にはワイヤレスキーボードとマウス、リモコンが付属する。キーボードにはタッチパッドが搭載されているので、これだけでも全ての操作ができる。リモコン操作でホームネットワーク上のAVファイルを再生できる「My Media」、これまでの利用傾向からおすすめ番組や自動録画した番組を教えてくれる「おすすめコンテンツメニュー」などのソフトが付属する。

 なお、パナソニックのビエラリンクとシャープのファミリンクに対応していて、これらの機能を持つテレビとHDMI端子で接続すると、テレビのリモコンで「My Media」を呼び出して利用できる。このほかの付属ソフトも多く、一般のデスクトップパソコンとしても使いやすくなっている。



ソニー テレビサイドPC TP1

ソニー「テレビサイドPC TP1」(型番「VGX-TP1DQ/B」)

湯浅が斬る! ソニー TP1
TP1のここが◎ テレビとレコーダー機能にこだわるAV志向の人にオススメ!
TP1のここが△ BSデジタル・110度CSデジタルチューナーがなく、500GB HDDはレコーダーとしてはやや少なめ。

 TP1は、丸いお櫃のようなデザインが特徴で、色は上位モデルのVGX-TP1DQ/Bが黒、VGX-TP1Dが白となっている(直販モデルではカラーが選択可能)。テレビチューナーは2基搭載するが、地上デジタル放送のみ対応となっている(別売のBSデジタル・110度CSデジタル放送チューナー「DT1」が用意されている)。

 ソニー独自のテレビ用ソフト「Giga Pocket Digital」を搭載し、番組に登場した店舗やCMなどの詳細情報を検索して表示したり、番組の盛り上がった場面を検索してダイジェスト再生できるなど、テレビ機能が充実している。指定したキーワードやジャンルによる自動録画にも対応。

 またホームネットワーク上のAVファイルを検索して再生できる「VAIO Media plus」を搭載。そのほかVAIO独自の動画編集やBD/DVD作成ソフトも付属し、こうしたホームサーバー機能やAV用途に使いたい人に向いている。Office 2007は付属しない。

キーボードにはFMV-TEO同様にタッチパッドがあり、マウスのような操作ができる。またFeliCaポートを搭載しているため、おサイフケータイなどで買い物もできる

 ワイヤレスキーボードとリモコンが付属し、マウスは付属しない。キーボードにはタッチパッドを搭載し、これだけで全ての操作ができる。ディスプレー接続端子はHDMIとDVI-D(HDCP対応)、アナログRGB(D-Sub15ピン)を搭載。同社のブラビアリンクに対応し、対応テレビとHDMI端子で接続すればテレビのリモコンでも操作できる。

「VGX-TP1DQ/B」本体前面にはUSB、i.LINK(S400)、SDカードスロットなどを備える

本体背面にはUSB、映像入出力、無線LANアンテナ端子などを搭載

 VGX-TP1DQ/Bは500GBのHDDとBlu-ray Discドライブを搭載。VGX-TP1Dは320GBのHDDとDVDスーパーマルチドライブを搭載するのが大きな違いで、CPUはどちらもインテルのCore 2 Duo T8100(2.10GHz)を搭載する。



NEC ホームサーバ・クライアントソリューション Lui

NEC「ホームサーバ・クライアントソリューション Lui」(型番「SX700/1G」)

湯浅が斬る! NEC Lui
Luiのここが◎ 信頼できる本格派ホームサーバーがほしい人にオススメ!
Luiのここが△ 信頼性は高いが、値段も高い。レコーダーとしては優秀だが、テレビのライブ視聴ができないのが残念。

 TEOやTP1に比べると、NECの「Lui」はやや特殊な製品だ。NECがホームサーバ・クライアントソリューションとしているように、録画したデジタル放送番組を2番組同時に家庭内ネットワークに配信したり、動画や音楽ファイルなどを一元管理して配信したりといったホームサーバーとしての性格が非常に強い。

 オプションのPCリモーターを使えば、外出先から保存したファイルを利用できる。ハードウェア的にも同社のサーバー技術が使われていて、信頼性の高い電源やHDD、冷却ファンなどを搭載している。そのため、本体サイズも大きく重い。

外出先から「PCリモーター」と呼ばれる専用のクライアントマシンで「Lui」に貯めたファイルを操作できるのが大きな特徴。クライアントはノートタイプ(左、型番「RN700/1C」)、ポケットタイプ(右、型番「RP500/1C」)の2種類

 テレビチューナーは地上デジタル放送チューナーが2基、BSデジタル放送と110度CSデジタル放送チューナーが1基で、テレビで録画した番組やAVコンテンツを保存して管理する、信頼性の高い本格的なホームサーバーが欲しい人に向いている。

 なお、内部はパソコン部とレコーダー部に分かれていて、電源とHDDもそれぞれ別個に搭載している。そのため、パソコンの電源を落としていてもレコーダーとして動作する。またレコーダーとして動作中にWindowsの動作が重くなるようなことはない。

本体前面にはUSB、IEEE1394、メモリーカードスロットなどを搭載

本体背面にはUSB、HDMI、光デジタルオーディオ出力などのインターフェースに加えてB-CASカードスロットなどを備える

 SX700/1GとSX500/1Gの2モデルあり、上位モデルのSX700/1Gは録画用に1TBのHDDとBlu-ray Discドライブを搭載し、SX500/1Gは録画用に500GBのHDDとDVDスーパーマルチドライブを搭載。CPUはどちらもインテルのCore 2 Duoで、パソコン用(Windows用)として320GBのHDDを搭載する。ワイヤレスキーボードとマウス、リモコンが付属するが、キーボードにタッチパッドは搭載されていない。映像出力端子はHDMI端子のみとなっている。


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