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ニコニコ大会議2008に行ってきた(特別編)

ニコ動の「ニコニ・コモンズ」とは何か?

2008年07月07日 19時30分更新

文● 広田稔/トレンド編集部

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「やっぱりやーめた」ができる


 もうひとつ、「途中で利用ルールを変えられる」という点にも注目だ。

ひろゆき クリエイティブ・コモンズやGPLでは、一回公開しちゃうと作った人すら(利用ルール)を変えられなくなってしまう。それはちょっと覚悟がいること。「やっぱりやーめた」ということができる規約にしようと。


 途中で素材の提供を「無料」から「有料」に変更することも可能だ。

夏野 プロ、アマ、個人、法人問わず、とりあえず素材をアップしてください。アップしたものが使われたら、ある時点から有料にすることもできる。ただ、有料にルールを変えるときまでは、無料で使ってもまったく合法。ビジネスをするかどうかについては、ニワンゴ、ドワンゴとしては関与しない。もしこれをビジネスにしたいという方がいらっしゃったら「どうぞ」という感じ。


 利用ルールの変更は、クリエイターの素材共有を進めるというよりは、アニメやゲームといった業界のコンテンツホルダーに素材を提供してもらうための配慮だろう。

 ユーザーに二次創作してもらって作品をPRしたいという目的だけでなく、将来的には、アニメで使われたBGMやゲームの一部分の動画など、二次創作用に作品の一部を売るというビジネスが立ち上がる可能性もある。



MAD問題にも影響する?


 話題になっている、MAD問題を解決する糸口にもなるかもしれない。

 イベントでは、ドワンゴが行なった「MAD動画を含めて著作権侵害動画を削除する」という発表(プレスリリースのPDF)について、ユーザーから「なぜMADを消すのか」という質問が飛び出した。その問いに、ひろゆき氏はこう答える。


ひろゆき 今回、MADを削除するという話が出てきて、じゃあこれまで動画を作っていた人が動画を作らなくなるかと言えば、単に使えるものだけで作るようになるだけだと思いますよ。なので、使えないならこちらから『使わないでいいですよ』と。ニコニコモンズのように使えるものを用意していって、権利的にもクリアーになっていったほうがいいんじゃないかなと思っています。

質疑応答

イベント終盤には、ユーザーからの質疑応答にも答えていた

 ドワンゴは5日、権利者が申し立てして削除した動画について、依頼した権利者名を表示する機能を実装した(関連リンク)。さらに、著作者がニコニ・コモンズに素材を提供するようになって一部で「公式な黙認」が成立すれば、二次創作のクリエーターも「この素材は使っていい」「この著作者のはダメ」と判断して使えるようになるのかもしれない。

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