ニワンゴと、コンテンツプロバイダーのCELLが共同で、6月9日から「ニコニコ動画(SP1)」(以下、ニコニコ動画)の中に「時報広告」の新商品を提供開始した。
「時報広告」とはある時刻にニコニコ動画にアクセスし、動画を視聴している全ユーザーに対し、報を伝達する「ニコ割」というシステムを活用した広告媒体。ニコニコ動画では、毎日19時、24時、26時、29時に時報を放送しているが、「時報広告」はそのタイミングでクライアントの広告を挿入し、ニコ動ユーザーに見せることができる。同社は「Webバナー的なものとラジオ的なもの、それぞれの広告要素が複合的に入っている」と「時報広告」の特徴を述べる。
今回、「時報広告」の商品に新たに加わった「ニコ割フル」「ニコ割Jr.」は、前者が動画視聴画面をフルに使用し、後者はニコニコ動画の画面上部の「ニワニュース情報局」欄にテキストにて情報を掲出する。「ニコ割Jr.」は動画再生を停止しない。
マーケティングコンサルタントの伊藤富雄氏はこのようなニコニコ動画の広告戦略について「インターネット的ではない部分が、ある意味、画期的」と語る。
「特定のビデオの再生中に広告を表示するサービスは過去にもさまざまありましたが、同じ時間に同じ広告を全ての視聴者に配信するという、マスメディア的なサービスはないようです」(伊藤氏)
ただし、伊藤氏は、「視聴者の興味や属性に合致した、いわゆるターゲッティング広告でないと、いずれ効果は薄れるのではないか」と指摘する。
「例えば、Googleが人気が出そうなビデオに広告を表示する『buzztargeting』機能を実装したことからも、動画に関する広告全般が『コンテンツありき』的なターゲッティング志向に変わっていきそうな気配はあります。つまり、結局のところマスメディア的といえるのかもしれない」(伊藤氏)
「ニコ割フル」の価格は、24時枠で1回100万円(税別)から。「ニコ割Jr.」は1枠1回20万円(税別)からとなっている。