昔からある「SEの35歳定年説」。ありえない都市伝説のようですが、“定年”ではなく“ターニングポイント”ではないでしょうか。働き始めて約10年、“期待されること”が180度変わってくるこの時期は、まさに人生の転換期。その変化に合わせて自分も変わっていかないと、“昔のエースが、今はお荷物”なんてことにもなりかねません。そんな時期といえる30歳から35歳の戦略について今回は考えてみたいと思います。
30歳前半に訪れる環境変化
最初に、30歳前半にどんな変化が訪れるかを考えてみましょう。
・独り→家庭を持つ(家族ができる)
・自分が一番下→部下や後輩ができる
・人の指示に従う→自分が意思決定し、自分が責任を持つ仕事が増える
・自分が仕事をする→部下に仕事をさせる
・自分が勉強する→部下に勉強させる
・転職しやすい→転職しにくい
人生最大の転換期で悩みが尽きない時期でしょう。でも、資格をうまく活用していくことで、この時期を“ストレスなく”、あるいは“楽しく”乗り切ることができると思います。
30歳代前半で取得しておきたい資格
では、どんな資格がこの時期に必要なのでしょうか。それを先に考えてみましょう。この時期に必要な資格は、ずばり“市場価値の高い資格”です(理由は後述)。市場価値の高さは、世間の認知度や、資格取得の難易度、資格取得者数の数などで決まりますが、例えば、国家資格の資格取得者数の数でいうと表1のようになります。
開始年度の違いはあるものの、累計の資格取得者数や取得割合(国内で働くSEの数を、約60万人として計算した割合)でみると、こんなに違いがあるんですね。20代でのひとまずの目標となる「ソフトウェア開発技術者」でも、取得割合は30%になります。これに比べて、いわゆる高度系とよばれる上位資格は、取得者の多いものでも5%前後で、ぐっと希少性が高まるというわけです。ちなみに、右側は平成21年度から開始される新試験制度での名称とレベルです。このレベルでいうと、30歳前半でレベル4の資格が欲しいですね。
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