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安藤幸央のライフハック 第9回

最終回 SEのためのライフハック~仕事をこなすコツ~

2008年03月18日 17時00分更新

文● 安藤幸央

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スケジュールが遅れてきたら~パフォーマンス計測と高速化チューニング~

 作業時間が短い事柄、あるいは比較的長いスケジュールで行なわなければいけない事柄の場合、パフォーマンスの計測が有用です。何かするのにどれくらいの時間がかかっているのかを把握しておけば、繰り返し作業の場合、完了時間が予測できます。また、定常的な仕事が割り込んできた場合も、完了までにどれくらい時間を割かなければいけないのかを過去の事例から判断することができます。

 スケジュールが遅れてきた場合は、どこがボトルネックになっているのかを正しく判断し、遅くなっている部分を集中的に高速化するといいでしょう。コンピュータのプログラムと同様に、順調に動く部分を速くするよりも、停滞している部分や遅い部分を効率化するのがいい方法です。

仕事後のライフハック~テストとロギング~

 仕事が完了したらテストを行ないましょう。ToDoリストの逆で、作業や仕事が完了した後にチェックするテストリストがあると抜けがなく、クオリティーの高い仕事になります。プログラムには「ユニットテスト(小さな単位で行なうテスト)」を始めとしてさまざまテスト手法が存在しますが、プログラム開発以外の仕事に関しても、自分の中で決まったテスト項目を用意しておくと、より品質の高い仕事ができることでしょう。

 複雑な仕事や、初めての仕事の場合は「ログ」を取ることをお勧めします。どういう手順でどういう事柄を積み重ねていったのか、作業ログを取ることは大変有用です。不具合があったりトラブルがあった時に見返すことができますし、同様の作業を繰り返す時には再利用が可能でしょう。

 全9回にわたる連載は今回が最後となりました。まだまだ取り上げたかった話題、手法もありますので、またいつか機会があればご紹介したいと思います。

 「ライフハック」は何も難しいことではありません。コンピュータの世界で便利で効率よくできることを人間の行動にも持ち込んで、楽しく生活や仕事をするためのちょっとした技なのです。今後も気楽に続けて、皆さん独自のライフハックを見つけていってください。


筆者紹介──安藤 幸央

安藤幸央氏

株式会社エクサ ユビキタスソリューション部 所属
慶應義塾大学 環境情報学部 訪問講師
国立天文台 客員研究員
1970年北海道生まれ。
フォトリアリスティック3次元コンピュータグラフィックス、リアルタイムグラフィックスやネットワークを利用した各種開発業務に携わる。コンピュータ自動彩色システムや3次元イメージ検索システム、大規模データ可視化システム、リアルタイムCG投影システム、建築業界、エンターテインメント向け3次元 CG ソフトの開発、インターネットベースのコンピュータグラフィックスシステムなどを手掛ける。また、Java、Ajax、Web3D、OpenGL、3DCG、 Google の情報源となるWebページをまとめている。
ホームページ:http://www.opengl.jp/blogger/
所属団体:OpenGL_Japan (Member)、SIGGRAPH TOKYO (Vice Chairman)
■主な著書
「VRML 60分ガイド」(監訳、ソフトバンク)
「これがJava だ! インターネットの新たな主役」(共著、日本経済新聞社)
「The Java3D API仕様」(監修、アスキー)
「Advanced RenderMan 映画とアニメーショ ンのための実践テクニック」(翻訳、ボーンデジタル)

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