突撃!30年前のレーション(危険度大)
内田社長がベトナム戦争時の米軍レーションを、おそるおそる取り出した。1978年製造と書いてあるので、約30年前の製品ということになる。これは、賞味期限切れどころの話ではない。おおっと、いきなり“裏”晩餐会の始まりだ!
パッケージを開けて中身を取り出すと、チューブやクラッカーの袋、そして缶詰などが出てくる。缶詰のうちのひとつは内部で発酵か腐敗が進み、缶が内側からヤバめに膨らんできている。さすがにこれは開缶すること自体が危険であろうということで、参加者で一致して開けないことに。シュールストレミングの開缶みたいな状況になったら、東京キャロル自体の営業が出来なくなってしまう。
シュールストレミングの開缶
シュールストレミングとは、北欧スウェーデンの塩漬けニシンを発酵させた缶詰食品だ。幸か不幸か私は食べたことがないが、世界三大臭い食べ物、という称号を貰っている。このシュールストレミングは、缶詰加工されたあとでも嫌気性細菌によって発酵が進み、缶が内圧でパンパンに膨れるのだそうだ。開缶する際には内部から発酵が進んだ液が飛び出すため、水中で開ける必要があるとのこと。うっ かり室内で開けたりすると、開缶の際に天井と言わず壁と言わず内容液が飛び散り、臭いがこもって大変なコトになると言われている。
異常が見られないチューブやクラッカーを開封してみると、まあ、見た目は普通ですな。普通は30年前の食品は尋常な神経の持ち主なら食べないと思う。筆者なぞ田舎生まれの粗食に強いことだけが自慢で、傷んだ食べ物をかぎ分ける嗅覚はまだまだ強い方だと思っている。ということで筆者はさっそく試食に挑戦。いや、他人様には薦めません。あくまでも自己責任。
「チーズスプレッド」と書かれた袋から出てきたのは何か得たいの知れないクリーム。何かって何だよ、って感じだが、舐めてみてもチーズの味などしやしない。もう油の味しかしない。色もなんとなく下品。元からそんな味なのか、それとも風味が飛んでそういう味になったのかはもはや知る術もない。
クラッカーはちょっと古い味で、湿気っていたような気がするが、古い防災用品のカンパンを食べた時の味と変わらない印象だった。
戦い済んで日が暮れて
ということで、晩餐会の夕べは無事終了。あっという間の楽しい2時間だった。実は、筆者も同行した北村記者も、軍用糧食の分野は全くの素人だが、参加者の方から色々と教えて頂き、記事作成にとって大変参考になった。この場を借りて改めて名も知らぬままで別れた参加者の皆様にお礼を申し上げたい。そしてこのような場を設けた東京キャロルの内田社長、島岡店長他皆さんにも感謝の意を表したい。 ちなみにこの「戦闘糧食晩餐会」だが、不定期に開催されているようなので、興味のある方は、東京キャロルのウェブサイトをウォッチするといいだろう。
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