株式会社サートプロ
社団法人組込みシステム技術協会
ETEC運営事務局 近森満さん
日本の自動車や家電製品などの高い性能を支えているのが、製品内部に内蔵されるソフトウェア─組み込みソフトウェアである。しかし、製品の根幹を支える重要な部分にも関わらず、それを開発する技術者の数は不足している。そのため企業では、技術者の確保や育成が急務となっているという。そのことを背景にして、組み込みソフトウェア技術者のスキルの底上げのために生まれたのがETEC(Embedded Technology Engineer Certification:組込み技術者試験制度)だ。ETECはどのような試験なのか、また受験するメリットについて、ETECの運営事務局をしているサートプロの近森満さんにお話しを聞いた。
電子立国日本を支えてきた組み込みソフトウェア技術者が不足
私たちの身の回りにある自動車や家電製品の多くは、コンピュータが内蔵されています。それを使って製品の動作を制御するソフトウェアを開発しているのが組み込みソフトウェア技術者です。電子立国日本を支えている重要な職業と言っていいでしょう。しかし、開発するソフトウェアは製品深部にあるため、ソフトウェアの技術や関わっている技術者が脚光を浴びることはあまりありません。言わば縁の下の力持ち的な存在なのです。そのためエンジニアを目指す人の多くが、開発したソフトウェア自体に注目が集まるエンタープライズ系を志向してしまい、組み込みソフトウェア技術者を志す人が減少している現状があります。経済産業省の調査でも毎年10万人単位で人材が不足しているというデータが出ています。
そこで、組み込みソフトウェアの重要性の認知のためと、エンジニア数の裾野の拡大のために創設したのがETECです。
組み込みソフトウェアの技術力を評価する資格や試験が少ないこと。高度な技術を保有していても転職などの際にその技術を証明するのが困難だったことがあるでしょう。
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