今年は冷夏かと思われたが、8月になって猛暑が続き、ニュースでも気温36度が当たり前のように報道されている。クアッドコアCPU利用者やオーバークロックユーザーには、いつCPU温度が臨界点に達しないか不安になってしまうほどの気温だ。そこで、今回は2007年上半期に発売されたCPUクーラーをピックアップし、その冷却性能についてチェックしてみよう。今回チョイスしたCPUクーラーは以下の6製品。
Auras「CTC-868」
クーラーマスター「HYPER TX2」
Thermalright「Ultra-120 eXtreme」
Thermaltake「V1」
DECA「ダイナマイトDECA 2階建」
CoolJag「Falcon92-AL」
これに「2006年に登場した人気CPUクーラーの最強王座を決める!」で見事王座を獲得したZALMAN製「CNPS9700-NT」と同スペックで、ファンコントローラが付属する「CNPS9700-LED」を加えた全7製品を用意した。検証環境は、登場から1年経ち後継モデルが出た今もなお人気の高い「Core 2 Duo E6600」(デュアルコア/動作クロック2.4GHz/2次キャッシュ4MB)の動作クロックを3.0GHzにオーバクロック(以下OC)させたものを利用する。OC時は通常266MHzのFSBを334MHzにアップしており、定格の1.25倍の動作クロックとなる。また、動作電圧も定格の1.35Vのほかに、0.1V昇圧した1.45Vの2パターンで計測する。CPU負荷に応じて動作クロックと駆動電圧を変化させるEIST(拡張版Intel SpeedStepテクノロジー)とC1E機能はBIOSで無効にしている。
温度の計測にはCPU内部の温度センサー値を出力する「Core Temp 0.95」を用い、負荷テスト「StressPrime2004 ORTHOS」を5分間実行させた時の温度を記録している。「Core Temp」は、マザーボードの温度センサーによる測定誤差がないため、今回の結果と自分の環境とを比較する際に役に立つだろう。
なお、ワットチェッカーで高負荷時の消費電力をチェックしてみたところ、定格電圧OC状態は定格電圧定格クロック時の+20W、昇圧OC状態は定格電圧定格クロック時の+40Wとなった。FSB上昇によりチップセットの消費電力も増えているが、その大半はCPUの増加分と思われる。「Core 2 Duo E6600」のTDPは65Wなので、単純に考えると昇圧OCの高負荷時は100W前後の消費電力ではないかと予想できるだろう。“Core 2 Q6xxx”シリーズのTDPが95-105Wなので、これらのCPUを利用しているユーザー、購入予定のユーザーは昇圧OC時の温度が参考になるはずだ。
テスト環境 |
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CPU:intel「Core 2 Duo E6600」(2.4GHz) |
マザーボード:Gigabyte「GA-965P-DS3 Rev1.0」 |
メモリ:DDR2-667(PC2-5300) 1GB×2 |
ビデオカード:Inno3D GeForce 8600GT |
HDD:Western Digital「WD740」(74GB SerialATA) |
光学ドライブ:なし |
OS:「Windows Vista Ultimate」 |
お詫びと訂正:「V1」のメーカー名がThermalrightとなっておりましたがc、正しくはThermaltakeになります。訂正してお詫びします。
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