戦隊シリーズと仮面ライダーシリーズといえば、ウルトラマンシリーズに並ぶといってもよい日本の誇る特撮番組だ。最近では子供や特撮ファンばかりでなく、“イケメン俳優”の起用により女性ファンという新しいニーズも掘り起こした。特に仮面ライダーはその傾向が強く、“平成ライダー”として従来の仮面ライダーとは違う分け方をすることもある。この2つの特撮シリーズは、今では日曜日の朝を飾るテレビ朝日系列のヒーロー番組として“スーパーヒーロータイム”という枠で定着している。
今年の“スーパーヒーロータイム”を飾っているのは「獣拳戦隊ゲキレンジャー」と「仮面ライダー電王」だ。「獣拳戦隊ゲキレンジャー」は戦隊シリーズとしては珍しく男性2人女性1人という構成の3人組が主人公。内容はかなりコメディ色が強く、全体の流れも「拳法を師匠に学び修行をして獲得する」というパターンがベースとなっている。物語は善と悪の対決だが、それぞれが格闘技の対立する流派となっているのが特徴だ。
そして豪華なのが声優陣。主人公の師匠となるのは動物の姿をした“拳聖”と呼ばれるキャラクター達なのだが、永井一郎さんや池田秀一さん、水島裕さんなどのベテラン陣が演じているのだ。また声優陣は“拳聖”のモデルとなったアクション映画スターの吹き替えを行なった人が担当しているのもポイント。これは、子供よりも大人向けの遊び心といえるだろう。
「仮面ライダー電王」も、かなりコミカルなノリの仮面ライダーだ。今回の主人公は時間を移動できる電車に乗り“時の運行を守る”という目的がある。仮面ライダーなのに、“バイク”よりもどこにでも現れる時間移動のできる列車というメカニックが目立っているのだ。さらに“平成ライダー”といえば、最近では複数のイケメンライダーが登場し敵味方で戦うことが多かったのだが、今作では今のことろ2人だけしか登場していない。代わりに主人公は武器に合わせて4種類のフォームに変身し、結果として外見だけでなく性格や声まで変わるという新しい要素を取り入れている。これはライダーが変身するときに、主人公に“イマジン”という存在が憑依することで力を発揮しているから。この“イマジン”は未来からの侵略者という敵役なのだが、その中に主人公へ力を貸す仲間となった存在が生まれる形でライダーとしての力が強化されていった。またゲキレンジャーと同様に、イマジンも豪華な声優が魅力。“ガンダムSEED”シリーズで“クルーゼ”役を演じた関俊彦さんや“シン”役を演じた鈴村健一さんなどの、人気声優が担当している。
今回東映ビデオより販売になったのは、「獣拳戦隊ゲキレンジャー VOL.1」と「仮面ライダー電王 VOL.1」。“スーパーヒーロータイム”を飾る2タイトルの第1弾DVDで、どちらも1~4話を収録している。8月4日からは「電影版 獣拳戦隊ゲキレンジャー ネイネイ!ホウホウ!香港大決戦」と「劇場版 仮面ライダー電王」の劇場公開も控えており、劇場に行く前に今一度、DVDで復習しておくのもいいだろう。
封入特典として、ゲキレンジャーには特製トランプ、電王には特製ライダーチケット型ライナーカードが付いている。なおライダーチケットというのは、作中で主人公が時間を移動する際に必要となる「列車の乗車券」だ。店頭での販売価格は、どちらも6000円程度となっている。
また「仮面ライダー電王」は、8月1日にエイベックスより「PERFECT-ACTION -DOUBLE-ACTION COMPLETE COLLECTION-」というミニアルバムも発売した。これは、各フォームでの戦闘シーンテーマ曲を収録しており、単なる楽曲だけでなく、セリフでの掛け合いも楽しめる内容だ。しかしこのCD人気が高く、大きなポスターで告知を行なっていたヤマギワソフト ソフト館では予約分だけで売り切れ状態となっていたそうだ。
それ以外にも特撮には欠かせない、アクションフィギュアや登場メカのおもちゃなど、関連グッズも数多く登場しており、秋葉原でも人気が高い。この夏は劇場版の公開もあり、ますます盛り上がるのは間違いないだろう。