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小惑星リュウグウに彗星塵が衝突した痕跡を発見=東北大など

2024年01月24日 06時53分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東北大学、立命館大学、京都大学、東京大学などの共同研究チームは、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから回収した岩石粒子の表面に、彗星の塵が衝突してできた溶融物を発見した。衝突した彗星の塵の中には有機物が含まれていたと考えられ、生命の起源物質を含む小さな塵が、宇宙から地球軌道付近に飛来していた可能性がある。

東北大学、立命館大学、京都大学、東京大学などの共同研究チームは、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから回収した岩石粒子の表面に、彗星の塵が衝突してできた溶融物を発見した。衝突した彗星の塵の中には有機物が含まれていたと考えられ、生命の起源物質を含む小さな塵が、宇宙から地球軌道付近に飛来していた可能性がある。 研究チームは今回、リュウグウから持ち帰った岩石粒子の表面を走査型電子顕微鏡で観察し、小惑星表面に宇宙の小さな塵が衝突してできた大きさ5~20マイクロメートル(1マイクロメートルは100万分の1メートル)程度の溶融物を複数発見。3次元CT観察や化学組成分析により、同溶融物は、衝突した彗星由来の塵とリュウグウの表面物質が高温で融けて混ざり合うことで生成したことが分かった。 彗星は太陽系の遠方で形成され、生命の材料となり得る有機物を多く含むことが知られている。同チームによると、彗星塵の衝突による溶融物の形成は、現在から約500万年前の間に、現在の小惑星リュウグウの軌道上で起こった可能性が高く、リュウグウには、ごく最近まで、太陽系の遠方から有機物を含む彗星の塵が供給されていたと考えられるという。研究論文は、サイエンス・アドバンシス(Science Advances)に2024年1月19日付けで掲載された

(中條)

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