このページの本文へ

硬くて丈夫で曲げられるゲル電解質、東大など開発

2023年11月28日 06時42分更新

文● MIT Technology Review Japan

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

東京大学、高エネルギー加速器研究機構などの研究グループは、硬くて丈夫かつ曲げられるゲル電解質を開発した。ゲル電解質は、曲げられる電池の電解質材料として期待されているが、充放電を繰り返すとリチウムの金属結晶が成長し、電池が短絡を起こしてしまう。この現象を避けるにはゲル電解質に10メガパスカル以上の高い弾性率を持たせる必要がある。また、繰り返し曲げることによって亀裂が大きくなっていくことを避けるために、破壊エネルギーを高める必要があった。

東京大学、高エネルギー加速器研究機構などの研究グループは、硬くて丈夫かつ曲げられるゲル電解質を開発した。ゲル電解質は、曲げられる電池の電解質材料として期待されているが、充放電を繰り返すとリチウムの金属結晶が成長し、電池が短絡を起こしてしまう。この現象を避けるにはゲル電解質に10メガパスカル以上の高い弾性率を持たせる必要がある。また、繰り返し曲げることによって亀裂が大きくなっていくことを避けるために、破壊エネルギーを高める必要があった。 従来のゲル電解質では、硬さを保つために高分子の結晶化を利用しているが、硬くなると脆くなってしまうため、硬さと丈夫さを両立させることは難しいと考えられてきた。研究グループは今回、曲げなどの変形で高分子が引き伸ばされ、内部の高分子鎖が伸びきって互いに集まることで結晶化する現象である伸長誘起結晶化と、高分子の相分離現象を利用した。 伸長誘起結晶化を発生させるには電解質内部の高分子鎖を均一に変形させる必要があるが、研究グループは今回、高分子鎖を環状分子で連結した環動網目構造を適切に制御することで高分子鎖を均一に変形させることに成功した。その結果、ゲル電解質に70メガパスカルに達する弾性率と、1立方メートル当たり100メガジュールの強靱性を持たせることができたという。 研究成果は11月24日、サイエンス・アドバンシス(Science Advances)誌にオンライン掲載された。研究グループは、電池に限らず、センサーやキャパシタなどのフレキシブル電気化学デバイスの電解質開発に役立つ可能性があるとしている。

(笹田)

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ