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化合物・シリコン積層型太陽電池で世界最高のエネルギー変換効率

2023年10月31日 06時46分更新

文● MIT Technology Review Japan

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シャープエネルギーソリューション(SESJ)は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「太陽光発電主力電源化推進技術開発」事業において、世界最高のエネルギー変換効率33.66%を達成した化合物・シリコン積層型太陽電池モジュールを開発した。今回の記録は、SESJが2022年に化合物3接合型太陽電池モジュールで達成した32.65%の世界記録を更新するもので、太陽電池を搭載した移動体への導入効果が期待される。

シャープエネルギーソリューション(SESJ)は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「太陽光発電主力電源化推進技術開発」事業において、世界最高のエネルギー変換効率33.66%を達成した化合物・シリコン積層型太陽電池モジュールを開発した。今回の記録は、SESJが2022年に化合物3接合型太陽電池モジュールで達成した32.65%の世界記録を更新するもので、太陽電池を搭載した移動体への導入効果が期待される。 今回開発したモジュールは、化合物2接合型太陽電池モジュールとシリコン太陽電池モジュールを組み合わせた構造になっている。化合物2接合型太陽電池セルをトップ層に、シリコン太陽電池セルをボトム層に配置することにより、さまざまな波長の光を効率的にエネルギー変換でき、これにより実用サイズモジュール(面積:775平方センチメートル)で世界最高のエネルギー変換効率33.66%を達成した。 今回のモジュールは、従来の化合物3接合型太陽電池モジュールの3分の1以下に薄層化することができる。そのため、薄層化による化合物材料の削減や、既に普及しているシリコン太陽電池をボトム層に採用することで材料コストの低減につながるという。NEDOは引き続き、太陽電池モジュールの高効率化および低コスト化に関する研究開発を進め、移動体の温室効果ガス排出量削減に向けて、太陽電池搭載の電動車の開発を推進するとしている。

(中條)

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