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次世代暗号の解読コンテストで世界記録、ポスト量子暗号へ=東大

2023年10月24日 06時52分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京大学の研究チームは、次世代暗号の解読コンテストである「MQチャレンジ」において、これまでに解かれたことがない次元の暗号を解読し、世界記録を達成した。MQチャレンジは、量子コンピューターでも解読できないポスト量子暗号の安全性を評価するための解読コンテストで、特に多変数多項式を用いた暗号に関する解読問題が出題されている。研究チームは、これまでに解読されていない最も難しいレベルである問題(Type VI、次元 31、方程式数 21)の解読に約9時間で成功した。

東京大学の研究チームは、次世代暗号の解読コンテストである「MQチャレンジ」において、これまでに解かれたことがない次元の暗号を解読し、世界記録を達成した。MQチャレンジは、量子コンピューターでも解読できないポスト量子暗号の安全性を評価するための解読コンテストで、特に多変数多項式を用いた暗号に関する解読問題が出題されている。研究チームは、これまでに解読されていない最も難しいレベルである問題(Type VI、次元 31、方程式数 21)の解読に約9時間で成功した。 同チームは今回、解読問題の数理的な特性を解明することで新しい高速アルゴリズムを提案し、世界記録を達成した。考案したアルゴリズムでは、計算途中に現れる巨大な行列のうち、出力結果に影響する最低限の領域だけを切り出して、解読に必要となる最小の行列を構成するように工夫。さらに、提案アルゴリズムを大規模な並列計算機にプログラミングして実装することにより、これまでに解かれたことのない次元の暗号解読を可能とした。 同チームは今後、この新しいアルゴリズムの詳細を評価し、現在進められている次世代暗号の標準化規格における安全なパラメーターの提案を進めるという。研究成果は、2023年10月30日から11月2日にかけて福岡で開催される情報処理学会主催「Computer Security Symposium(CSS 2023)」で発表される。

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