このページの本文へ

機械学習で脳の白質病変を検出、MRI画像解析を改善=京大など

2023年10月10日 11時13分更新

文● MIT Technology Review Japan

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

京都大学、ワシントン大学、国立精神・神経医療研究センター、理化学研究所の研究グループは、機械学習を利用して人間の脳のMRI画像から白質病変を検出し、脳の皮質表面解析の精度を改善する手法を開発した。白質病変は高齢者の脳MRI画像でよく見られる異常だが、MRI画像では色調が大脳皮質によく似ているため、誤認識してしまうことがあった。

京都大学、ワシントン大学、国立精神・神経医療研究センター、理化学研究所の研究グループは、機械学習を利用して人間の脳のMRI画像から白質病変を検出し、脳の皮質表面解析の精度を改善する手法を開発した。白質病変は高齢者の脳MRI画像でよく見られる異常だが、MRI画像では色調が大脳皮質によく似ているため、誤認識してしまうことがあった。 研究グループは中高年43人分のMRI画像を収集。2人の脳神経内科医が画像から視覚的に白質病変を特定し、そのデータを機械学習で学習させ、学習データに含まれていない個人データで白質病変を検出した。既存の表面解析プログラムの誤判定を上書き修正できるプログラムを開発してMRI画像を解析したところ、白質病変に起因する誤りを有意に減少させることに成功したという。特に白質病変が多い場合に大きな効果があったとしている。解析結果は、放射線科医による視覚的検証と、1200人分の公開データセットを基準とした統計的手法で定量的に評価した。 研究成果は9月21日、ニューロイメージ(NeuroImage)誌にオンライン掲載された。

(笹田)

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ