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炭素繊維強化プラで振動発電、センサー情報を送信=東工大ら

2023年06月20日 09時52分更新

文● hitoshi_sasada

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東北大学、大阪工業大学、英リーズ大学の研究グループは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastic)を応用した新しい圧電振動発電デバイスを開発した。

東北大学、大阪工業大学、英リーズ大学の研究グループは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastic)を応用した新しい圧電振動発電デバイスを開発した。 開発した発電デバイス「炭素繊維強化圧電振動エネルギーハーベスタ」は、平均粒径が約200 nmの圧電ナノ粒子(ニオブ酸カリウムナトリウム)をプラスチック(エポキシ樹脂)に分散させた圧電ナノコンポジットにCFRPを積層した2層構造となっている。CFRPを補強材としてだけではなく電極としても機能させることで、圧電性能を損なうことなく優れた機械的特性を得ることができ、発電性能と耐久性を得ることに成功した。 炭素繊維強化圧電振動エネルギーハーベスタを片持ち状態で固定し、固定端に0.05ミリメートルの変位振幅を与えたところ、1立方センチメートル当たりおよそ90マイクロワット(μW)の電力密度を記録した。LEDを点灯させるのに十分な発電性能となる。研究グループは曲げ振動で発電した電力で、温度、湿度、加速度、大気圧のセンサー情報を無線で送信することに成功しており、小型無線通信機器に電力を供給できることから、多様な製品、機器に発電や無線通信機能を持たせることが可能になりそうだ。 研究成果は6月13日、ナノ・エナジー(Nano Energy)誌に掲載された。

(笹田)

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