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神経障害性疼痛の自然回復の仕組みを解明、治療薬開発へ前進=九大など

2022年04月03日 07時47分更新

文● MIT Technology Review Japan

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九州大学、岡山大学、国立遺伝学研究所、塩野義製薬の研究グループは、神経障害性疼痛の痛みを和らげる細胞を初めて発見した。神経障害性疼痛は、がんや糖尿病などで神経が傷ついた際に発症する慢性疼痛で、痛みが長引くことがあるが、一般的な鎮痛薬がほとんど効かず、治療が難しい。

九州大学、岡山大学、国立遺伝学研究所、塩野義製薬の研究グループは、神経障害性疼痛の痛みを和らげる細胞を初めて発見した。神経障害性疼痛は、がんや糖尿病などで神経が傷ついた際に発症する慢性疼痛で、痛みが長引くことがあるが、一般的な鎮痛薬がほとんど効かず、治療が難しい。 研究グループはすでに、神経の損傷によって脊髄のミクログリア細胞が活性化し、痛みの発生に深く関わっていることを明らかにしている。今回の研究では、神経を傷つけた実験用マウスの脊髄で、活性化したミクログリアの一部が変化し、特殊なサブグループを形成することを発見。この変化のタイミングが、痛みが自然に弱くなっていく時期と相関していることが分かった。 研究グループがこのサブグループを脊髄から除去したマウスを作製し、痛みを評価したところ、痛みからの自然回復がまったく起こらず、長期間持続したという。さらに、このサブグループの細胞がIGF1(Insulin-like Growth Factor 1)というホルモンを作り出すこと、IGF1が痛みからの回復に必要であることが明らかになった。 今後、ミクログリア細胞のサブグループ細胞を増やすような化合物、あるいはIGF1をサブグループ細胞に多く作らせる化合物を発見できれば、神経障害性疼痛に有効な治療薬の開発につながるとしている。研究成果は3月31日、「サイエンス(Science)」誌にオンライン掲載された。

(笹田)

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