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石川温のPCスマホニュース解説 第121回

なぜPayPayは一人勝ちできたのか

2021年08月27日 09時00分更新

文● 石川温 編集● ASCII

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ドコモ、KDDI、楽天のねらいは囲い込み

 楽天ペイは街の店で楽天ポイントが使えて、貯まるようになっている。楽天市場や楽天カードなど楽天経済圏でポイントを活用している人からすれば「ネットではなく、リアルの店舗で楽天ポイントが使える」という魅力があるのだ。

 つまり、楽天ペイは「楽天ユーザーが普段、貯めているポイントを吐き出せる場所」という位置づけであれば良い。それだけで楽天ユーザーの顧客満足度が上がり、楽天経済圏にどっぷりと使ってくれる。

 つまり、楽天グループとすれば、楽天ペイはさほど儲からなくても「楽天ユーザーの囲い込み」として機能してくれれば万々歳なのだ。

 一方のNTTドコモ、KDDIも同じ構図だ。

 NTTドコモ、KDDIともに、ユーザーが毎月、スマホの通信料金を支払えばポイントが付与される。数年前までは機種変更などの利用が中心であったが、いまはd払いやau Payの残高としてポイントを消費できる。NTTドコモ、auユーザーとすれば、毎月、ポイントが付与されて、それを残高として街中のコンビニや商店で買い物ができてしまう。

 ユーザーが「ドコモの料金が高いから、格安スマホに乗り換えようかしら」と思っているとポイントが貯まっている。それらを消費してから格安スマホに乗り換えようと、街中でd払いをつかっていたら、またポイントが貯まってしまい、辞めるタイミングがわからなくなる。結果、NTTドコモを解約することなく、使い続けてしまうのだ。まさにポイントとスマホ決済サービスが解約抑止につながるのだ。

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