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業界人の《ことば》から 第75回

日本オラクルの新社長が登場、日本ならではのニーズへの見解を表明

2014年01月30日 09時00分更新

文● 大河原克行

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デレク・エイチ・ウイリアムズ新社長が考えること

 一方、この会見では、2013年8月30日付けで、日本オラクルの社長に就任したデレク・エイチ・ウイリアムズ氏が初めて登壇した。

 就任後5カ月を経過して初めて報道関係者の前に登場するというのは、あまりにも遅いといわざるを得ない。

 ウイリアムズ社長は、「オラクルの上位3つの優先事項は、SaaS Applications、Exadata & Endineered Systems、Oracle Database 12c。いずれもオラクルにとって重要な製品であり、日本においても優先的に取り組むものとなる。とくに今日発表するExadata & Endineered Systemsは、日本でも大きな成長を遂げている」と切り出した。

オラクルの上位3つの優先事項

 これを補足するように、日本オラクル 専務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長の三澤智光氏は、「Exadataは発売以来5年間、右肩上がりで推移している。これだけ成功したハイエンドサーバーは過去にない」とする。

 一方で、日本におけるクラウドビジネスに関しては、ウイリアムズ社長が現状を説明。「日本では特別な要求が多いため、SaaSだけでなく、PaaS、IaaSも重要となる。日本では、PaaS、IaaSにも継続的に投資をしていく」と語る。

 さらに、ウイリアムズ社長は、「私は2001年にディレクターとして日本オラクルで仕事をはじめて以来、12年間、日本オラクルと関わってきた」と前置きし、「日本における過去1年間のオラクルの業績は順調であり、ビジネスは非常に強く進捗している。Exadataも、日本では強力なビジネスになっている。Oracle Exadata Database Machine X4は、省電力、省スペースという点でも、日本のニーズに合致したものになるだろう。日本オラクルの未来は、すばらしいものになるだろう」と説明。経営に自信をみせるとともに、Oracle Exadata Database Machine X4の日本における事業拡大にも意欲をみせた。

 だが、これまであまり顔を見せななかった社長であり、今回の会見でも、社長の立場として、具体的な事業戦略には触れることはなかった。

 そして、歴代の日本人社長と比べて、外国人社長であるウイリアムズ氏が、日本のパートナーとどれぐらい深い関係を築けるのかも今後、気になる点だ。それまで社長を務めていた遠藤隆雄会長が、日本での事業推進において後方支援をしているのは明らかだが、いまのところ、ウイリアムズ氏は、歴代社長のなかで、最も顔が見えない社長であることには間違いない。

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