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MMORPG・Forsaken World開発の中国・完美時空が目指すのは“世界”

2011年06月04日 12時00分更新

文● 電撃オンライン

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国内シェアは4位、海外への製品輸出シェアは堂々のNo.1

上級副社長の竺琦氏

 完美世界の設立は2004年だが、その前身として1997年に家庭用ゲーム機向けソフトの開発会社、祖龍開発が存在する。当時からスタッフのほぼ全員が、北京の清華大学出身者で構成されていた。清華大学は中国でもトップクラスの大学として知られ、特に理工系に強い。

 同社は中国本社の他、北米、台湾、オランダ、日本に支社・子会社を持ち、現時点で自社開発の11タイトルを100以上の国と地域に輸出している。日本の子会社とはもちろんシーアンドシーメディアのことで、初進出タイトルは2007年にサービス開始となった『パーフェクトワールド』だ。

 中国には盛大、勝迅など、規模と国内シェアだけで比較すれば完美をはるかに上回る大手企業が存在しており、国内シェア率は4位の7.8%だが、同社はかなり早い段階で世界展開を視野に入れていた。アジア圏および北米以外の地域にも積極的に進出しており、ブラジルで連続3年シェア率を拡大。ロシアでは『World of Warcraft』の同時接続者数を抜く記録を出している。2010年にオンラインゲームの輸出額で約1億ドルに到達し、海外輸出及び海外市場シェアはNo.1になったと、竺氏は述べた。

 世界に通用する高いクオリティのゲーム提供のために、中国と北米あわせて3,500名からなる開発チームが存在。2008年には台湾の昱泉を買収し、2010年に北米のRunic Gamesの株式を取得した。このRunic Gamesには名作RPG『Diablo』シリーズの開発者が所属しているとのことだ。開発スタッフのうち約3,000人がオンラインゲーム開発のためのスタッフ、約200名がコンソールゲーム、残りがブラウザゲーム開発にたずさわっている。オンラインゲームの開発期間はだいたい2年で1本のペースとの話だった。竺氏はコンソールゲームの開発からスタートし、オンラインゲーム、そして次のステップとしてブラウザゲームやモバイルアプリの開発にも取り組む意欲を見せた。

 ゲーム開発会社としての顔だけではなく、完美世界にはもう1つ映画制作・配給会社の顔を持ち、完美世界影視文化公司を設立している。2009年に興業成績1億元以上を記録したヒット映画『非常完美(邦題:ソフィーの復讐)』をはじめ、数々のテレビドラマ制作も手がける、一大エンターテイメント企業だ。

 ゲームと映画製作に加えて、オンライン小説サイト公開の準備も進んでいる完美世界。ヒット小説をもとにオンラインゲーム化または映画・ドラマ化を行い、出演した有名俳優を使ったオンラインゲームのマーケティング、プロモーションを実施するなど、あらゆる角度から人気のある製品や要素と結びつけ、同社ならではの強みを生かしたエンターテイメント戦略を仕掛けていくという。

 また、日本支社であるシーアンドシーメディアの紹介をなぜか中国で聞くという、やや不思議な光景も。『PERFECT WORLD -完美世界-』『夢世界』『LEGEND of CHUSEN -誅仙-』など自社開発タイトルのサービスがメインのシーアンドシーメディアだが、年内に『Forsaken World』を含む2~3本の新規タイトルをサービス予定。北米や韓国の他社タイトル運営も予定されているとのこと。具体的な内容については、現在交渉中とのことで、教えてはもらえなかった。

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