形も内容も“砂時計型”の「1枚企画書」
砂時計というものがあります。上下に部屋が分かれていて、上の部屋にあった砂が時間の経過とともに中央の小さな穴を抜けて、下の部屋に落ちていくというものですが、コンセプト発想で作られた企画書の形と構成はこれとよく似ています。
企画はPAVを構想することという説明を前回しましたが、P(Purpose=企画の前提)とA(Aim=実行計画)のブリッジ役となるV(Value=コンセプト)がどれだけ締まっているかで、その企画の採否を大きく左右します(前述したように、コンセプトの下にアイデアがぶら下がる形になります)。
というのも企画とは「結局のところ何を言いたいのか」を簡潔に表わすことにあるからです。
せっかくいいアイデアを提示しても企画の前提条件を満たしていなかったり、コンセプトにふさわしいアイデアでなかったりすると、最後の実行計画も浮いてしまいます。
企画書はコンセプトがどれだけ締まっているかにかかっています。そういう意味で、形として中央に“くびれ”のある砂時計の形にすることが理想的なのです。
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以上のように「1枚企画書」というのは、作成者が強調したいと考えている部分をより明確にすることで、意図した内容をダイレクトかつストレートに伝えることができるのです。今回の新書のキャッチフレーズにある「3秒で落とす」には、そういう意味が込められています。
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初めて「1枚企画書」について触れられる方も、すでに前著をご購読された方も「1枚企画書」のテクニックの総集編としてお読みいただけるかと思います。ぜひお近くの書店でお手にとってご覧いただければと思います。