ついに迎えた本戦!
8日、日曜日、本戦当日。テクニックステージタカタは、朝から濃い霧に包まれていた。発表された本番レイアウトは、チームが予想したとおり前日の公開練習の午前と午後のコースを組み合わせたもので、比較的ハイスピードな設定が多いタカタでも群を抜いて高速なレイアウトとなっていた。チームは手早くパドックを設営し、本番に向けての最終的なチェック作業を行う。そして、いよいよ本戦のスタート!
まずは通常路面用のグラベルタイヤを装着して、ヒート1に挑んだメロンランサー。スタート順は年間の獲得ポイントで決定されるため、特別推薦枠での出場となったメロンランサーはSA-2クラスの前のほうのスタートとなる。浜選手が語ったとおり、いずれのマシンをも上回る深いドリフトアングルをつけてコースを駆け巡ったメロンランサーのタイムは、「1'52.063」の暫定1位! その後、このタイムは破られることは無く、クラス最終ゼッケンで出走する全日本ランカー、北村和浩選手の走りに注目が集まったが、ブレーキトラブルによりヒート1は出走せず。晴れてメロンランサーのヒート1トップ通過が確定したのだった。
午後からのヒート2。主催者から気になる情報がもたらされる。どうやらヒート2は、いずれかのクラスの1号車が走る直前のタイミングで、路面への散水が行なわれるらしい。散水が行なわれる際には、少なくとも2つ前のクラスがスタートする際にアナウンスが行なわれるとのこと。現状では固い岩盤が路面上に顔を覗かせており、タイヤは硬質路面用のものがベストチョイスとなるが、散水が行なわれると軟弱な路面になってしまうため、通常路面用か、あるいはウェット路面用のタイヤチョイスとなってしまう。
クラスの中でもスタート順の早いメロンランサーの場合、たとえ2つ前のクラス出走前にアナウンスが行なわれたとしても、タイヤ装着にかかる時間を考えると、スタートまでギリギリのタイミングだ。パドックでリジッドラック(ジャッキアップしたクルマを支える工具。通称ウマ)の上に載せられ、4輪を外した状態で待機しているメロンランサー。アナウンスを聞き逃すまいと、メカニックは緊張した面持ちでそのときを待っていた。
SA-2クラスの2つ前のクラスは、N-3クラス。そこでは何のアナウンスも無く、そのままクラス1号車がスタートしていく。ということは……、SA-2クラスの直前で散水は無い! 急いで硬質路面用タイヤを装着し、メカニックの手でブレーキへの熱入れが行なわれる。いよいよスタートが迫り、他の選手の走りをチェックしていた浜選手がパドックに戻ってきたときには、メロンランサーはいつでもスタートできる体制で地面に降ろされていたのだった。
軒並み好タイムが連発されるヒート2。そのなかでも、メロンランサーの走りは圧巻だった。猛烈な砂煙を後方に引き連れながら、はるか手前から真横を向いてコーナーに突っ込んでいく。見た目の迫力もさることながら、そのスピードもカメラで追いきれないほどのすさまじい速さだ。まるで弾丸のように記者の前を通過していったメロンランサー、ゲットタイムは……「1'49.803」の暫定1位タイム! ラストゼッケンの北村選手、その走りはメロンランサーに勝るとも劣らない迫力で、この1本に賭ける北村選手の気迫が伝わってくる。そのタイムは……「1'50.628」! わずか0.82秒という僅差で、メロンランサーのSA-2クラス優勝が決定した!
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