基本はParheliaの廉価モデル
2002年に登場したParheliaシリーズの機能制限モデルが新「Millennium」となった。廉価版といっても、DVI×2のDualHead機能や相変わらず高画質な画面表示など、Matroxファンにとっては、魅力的な製品だ。 |
プレDirectX 9世代ビデオカードの実力は? Matrox/インフォマジック「Matrox Parhelia(Fast Release版)」レビュー |
Nvidia、ATIという2大ビデオチップメーカーの前に、若干影が薄い存在となってしまっているMatrox Graphics。2002年の夏にはバーテックスシェーダ 2.0を搭載し、DirectX 9世代の機能を先取りするとともに、3画面出力をサポートするTripleHead機能などが特徴の新チップ「Parhelia-512」を搭載する「Matrox Parhelia」をリリースした。しかし、実際の3Dゲームなどではさほど高いパフォーマンスを実現できなかったうえに、5万円台という価格面から、大ヒットとはならなかった。
そんな中、2003年春になって発表されたのが、廉価版チップの「Parhelia-LX」とその搭載カード「Millennium P750」と同「P650」。ピクセルパイプラインとバーテックスシェーダが、Parhelia-512の半分となる2ユニットとなったほか、メモリインターフェイスも256bit幅から128bit幅になるなど、機能は制限されている(※1)が、RGB各色について10bitで表現可能なカラー処理や、400MHzのRAMDACを2個内蔵するなど2Dまわりの機能についてはそのまま継承し、Matroxファンの注目を集めていた。
※1 Millennium P750/P650 両製品が正式対応するのはDirectX 8.1までで、DirectX 9は正式サポートしていない
3D性能は
期待しないほうがいい
液晶モニタ派にはうれしいDVI-I×2。DVIだけというのは案外珍しい。もちろん付属の変換コネクタでアナログ接続も可能。 |
今回紹介するP650は、上位のP750と比べると、TripleHead機能が削除されたほか、ビデオ出力用ケーブルが付属しない(オプションで入手可能)、エントリモデルという位置づけ。ただ、価格は2万円台後半からとP750と比べて1万円前後も安い。また、P750では搭載されていた冷却ファンが、巨大ヒートシンクに変更になり、ファンレス化を果たしているのは大きなメリット。なお、搭載メモリは64MBのDDR SDRAMである。
出力インターフェイスはDVI-I×2のみ。DVI→D-sub15ピン変換コネクタは最初から2つ付属している。2D画質はクッキリハッキリと切れのあるMatroxならではのもの。セカンダリ側にオーバーレイ画面をフル表示するDVDMax機能、Windows 2000でも異なる解像度で2画面出力できるDualHeadなどは、そのまま装備している。
さて3D性能だが、正直いって、ほとんど期待しないほうがいいレベルといえる。今回はテスト期間が短かったため、詳細なベンチマークテストは行っていないが、Athlon XP-2500+&nForce2を組み合わせた環境においても、3DMark 2001SEが3500程度で、FFベンチが2000弱程度。現在の3Dゲームを楽しむには、最低限クラスの3D性能だろう。やはりP650の価値は3D性能ではなく、Parhelia譲りの2D部分に見出すべきだ。