先日、今週にはショップに並ぶかも知れないと噂されてていたTualatinが遂にアキバに登場した。Tualatinは0.13μmプロセスルールで製造され、L2キャッシュが512KBとなったPentium IIIである。
名前はPentiumIII-S、S-SpecはSL5PUとなっている |
今回登場したのはバルク版で、クロックは1.13GHz、FSB133MHz、コア電圧1.45V、S-SpecはSL5PUとなっている。名前はPentium IIIのロゴはそのままに、最後に「-S」の文字が付加され「PentiumIII-S」となっている。
クロック1.133、2次キャッシュ512KB、FSB133MHz、コア電圧1.45との表記が確認できる |
インテルのS-SpecのページにもこのCPUは既に掲載されており、「1.13GHz-S」と従来のCPUと明らかに区別されている。この「S」はインテルのPentium III-S紹介ページによると「The Intel Pentium III processor with 512k cache for DP servers can easily be identified by the "-S" designator used on part markings, packaging, and price lists. 」と書かれており、“-S”はServerの意味を含むことが書かれている。ちなみに、ステッピングも従来の“cD0”から“TA1”に変更になっている。
先週出回った従来のPentiumIII 1GHz/FC-PGA2 (Coppermine)と比べてみると下記のような違いがある。
Pentium III | Pentium III-S | |
---|---|---|
CPUクロック | 1000MHz | 1130MHz |
FSB | 133MHz | 133MHz |
パッケージング | FC-PGA2 | FC-PGA2 |
コア | Coppermine | Tualatin |
電圧 | 1.75V | 1.45V |
VTT | 1.5V | 1.25V |
最大消費電力 | 29W | 27.9W |
VTTというのは、AGTLバスのターミネーション電圧のこと。つまりチップセットとCPUを結ぶ信号ラインの電圧そのものも変わっている。このためTualatinに対応するチップセットが必要となる。対応チップセットとしてはIntel i815EP/B-Stepが既に出まわっており、これ以外にもApollo Pro266Tなど対応できるチップセットがあると言われるが、今のところ確認できたものはない。もっともB-Stepのチップセットマザーで動く保証は現時点ではないため、どのみち人柱となるのは確実だ。
キャパシタが小さくなって、配置も変わっている |
見た目は、先週登場したcD0コアのPentiumIII/FC-PGA2とほとんど変わらない。基板の色がやや深い緑になった程度である。裏面のキャパシタの配置などは従来のCoppermineベースものとかなり変わっており、キャパシタ自体が小さくなり配置も変わっているが、個数は同じ12個となっている。
ヒートスプレッダの分、コア面の高さが若干高くなっている |
入荷した高速電脳では既に全てが売約済みとなっており、現在店頭に並んでいるのは引き取り手待ちの現物のみとなっている。価格はなんと5万2800円。初物の祝儀価格とはいえ、1GHzの2倍の価格は割高感を通り越しPentium4-1.7GHzのメモリバンドルなし版よりも高価だというのは驚くしかない。なお次回入荷は未定だという。
【取材協力】