秋葉原UDXで16日まで開催中の「ビジネスコミュニケーションフェア2009 in AKIBA」。これは主催のインターコムが提供する業務アプリケーションや、それを活用したビジネスソリューションを展示会とセミナーで紹介するイベントだ。特に興味深いのはファクス中心のソリューションが主力で紹介されていたことだ。
もちろんこれは、同社の主力製品がPCファクスソフト「まいと~くFAX」であるためだが、展示されたビジネスソリューションを見ていくと、今でもファクスがビジネスに使われているケースが多いことに改めて気づかされる。
まいと~くFAXシリーズには、個人/ビジネスユーザー向けのファクス送受信ソフト「まいと~く FAX 9 Pro」と、企業内や部門でファクスサーバーを構築するための「まいと~く FAX Saver」「まいと~く FAX Center」などがラインナップされており、今回はサーバーを構築するビジネス向け製品が主役として展示されていた。
まいと~く FAX Saverのメリットは、1台のクライアントPCから大量の宛先に送信処理がこなせるだけはなく、LANで接続された他のPCからファクス送信したり、受信したファクスをメールとして配信するなど、既存のファクス機器の代替としてオフィスで活用できる点にある。
まいと~く FAX Centerでは、より大規模なファクス送受信業務システムを構築でき、APIを用いて基幹業務システムと連携させたり、消耗品や部品などの発注も可能となっている。さらに音声応答コールシステムを構築するオプション「まいと~く VoiceFAX Center」も用意されている。
出展された活用事例を見てみると、取引先や関連会社への商品仕入れや部品発注といった業務でファクスを使うシーンがまだまだ残っている。家庭でもオフィスでも、ファクス機器を使う機会は次第に減ってきており、主役は電子メールに変わりつつあるは確かで、インターネット接続環境の普及率を考えれば今さらファクスシステムを構築するよりもインターネットですべて済ませたいと考える人も多いだろう。
しかし、現実には取引先、特に商店や工場など小規模な事業所の端末にまで大企業側の都合でインターネットを引かせるというのは考えものだ。電話線と小さなファクス機器が1台ありさえすれば手軽に運用開始できるファクスシステムの需要は、まだまだ少なくない。
さらに、まいと~く FAX SaverのAPIやOCR機能連携などを活用して、基幹業務と連携できるアプリケーションを導入すれば、送信者側にはファクスしかなくてもオンラインのシステムとほとんど変わらない環境が構築できる。
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企業がいくら社内システムのオンライン化を推進しても、社内外からのデータ入出力ではアナログ情報(ファクスなど)から簡単に脱せないのは確かだ。最近のファクス機器では受信データをプレビューできるなどペーパーレス化も進んでいるが、どうしても人手を介する送受信作業を効率化させることが重要である点は今も変わらない。
取引き先と既存の手続きを継続しながら、少しでもオフィスの効率化を考えるなら、今改めてファクシミリの活用や使い方を見直すのも一つの手だ。