「日本は危うい、停滞気味ではないか」と月尾氏が警鐘!!
【レポート】アジア地域発の一大CGイベントがアキバで開幕――ASIAGRAPH2007
2007年10月14日 14時46分更新
海外から意欲作品が続々寄せられた
デジタルクリエイターズ コンペティション2007受賞作品
このASIAGRAPH2007の開催に併せて、デジタルコンテンツ協会が主催する「第22回 デジタルコンテンツグランプリ」と「デジタルクリエイターズ コンペティション2007」の贈賞式がアキバ3Dシアターにおいて行われた。
デジタルコンテンツグランプリは日本のデジタルコンテンツ産業の振興を図るために、コンテンツを創る側だけでなく、これを支えるシステム・流通・制作ツール・人材育成など、多くの分野が対象となるグランプリ。これらの多分野が総合的に発展、充実することが業界の成長に重要であるとの考えのもと、日本のデジタルコンテンツ産業の発展に大きく貢献する組織・人物を表彰し、広く告知して、受賞者の活動の更なる発展とこれに触発された新たな挑戦者の出現を促すことを目指している。
また、デジタルクリエイターズ コンペティションは、コンテンツ産業の活性化や国際競争力の強化を目的に、次代を担うトップクリエイターを目指す人材を発掘して表彰し、産業界へ発信することを目的として開催されている。
贈賞式に先駆けて、デジタルコンテンツ協会会長の高島 章氏が「今年のコンテンツは多様で意欲のあるサービスや技術が多くあったのが特徴です」と挨拶した。続いて、後援する経済産業省より大臣官房審議官の吉崎正弘氏が登壇し、「アニメもゲームも根っこはCGが重要であり、すべてのコンテンツ分野に大いに関わっています。受賞者のみなさんは、今回の受賞を契機にさらに研鑽(けんさん)されることを期待しています」と述べた。
続いて、来賓として出席した韓国文化コンテンツ振興院日本事務所長の金相頸氏は「韓国作品が多く受賞してうれしいです」と語った。韓国文化コンテンツ振興院では、デジタルクリエイターズ コンペティションにおいて「韓国文化コンテンツ振興院長賞」を設けている。また、ケベック州政府在日事務所代表代理のダニエル・ディニャール氏は「なぜ、ケッベク州が? と思われるかもしれませんが、(ケベック州の)モントリオールでは、特にCG関連の事業が活発です。SOFTIMAGE(ソフトイマージ)やDiscrete(ディスクリート)などの企業を耳されることも多いと思いますが、これはケベックの企業なのです」と語った。ケベック州政府在日事務所でも、デジタルクリエイターズ コンペティションにおいて「ケベック・アニメ賞」という部門賞を設けている。
引き続き、デジタルクリエイターズ コンペティション2007の贈賞が執り行なわれた。受賞作品と受賞者は以下の通り(敬称略)。
- 金の翼賞
- 「WAY」Kim Sun-Young(sangmyung university)/グループ名:popcorn
- ケベック・アニメ賞
- 「Soeyon」Kim Jin-Man
- 韓国文化コンテンツ振興院長賞
- 「Starry Night」Kim Mi-Jin(kaywon School of Art and Design Animation)
- 銀の翼賞
- 「Sun Set」山田稔明(デジタルハリウッド東京本校 本科CG・映像クリエイター専攻卒)
- 銀の翼賞
- 「雲の人 雨の人」上甲トモヨシ(東京工芸大学大学院)
- 優秀賞
- 「Rights of Nature」茂木光典、木内克典、松田直哉(デジタルハリウッド東京本校 本科CG・映像クリエイター専攻卒)グループ名:RONES
「Paper Play」山口 翔(静岡文化芸術大学)
「GO HOME」五十嵐彩香(吉田学園情報ビジネス専門学校)
- 審査員特別賞
- 「The Life」Ryu Jin-Ho
総評として、審査委員長を務めた(株)東北新社の専務取締役の中島信也氏は「印象に残っていることは、韓国からの応募にものすごい力作が多く、圧倒的だったことです。本来であれば(本賞は)日本のクリエイターの発展させるためのものですが、韓国作品が多く選ばれました。そこには高い独創性、オリジナリティーがありました。ぜひ、お隣の国の人々がこれだけのものが創られていることを知っていただきたいと思います。韓国を持ち上げすぎていると思われるかもしれないが、本当に凄かったんです」と語った。